「ピンクのパジャマ」
僕は今までに3回、飛び降り自〇を目撃している。 いずれも銀座時代だが、ある年に立て続けに起こった。 そのうちの一つは今でも脳裏から離れず、深く印象に残っている。 お昼頃、銀座、木挽町通りを歩いていたら、 数十メートル後ろから、ドスンという鈍い音がして地面が揺れた。 倒れていたのは若い女性で、ピンクのパジャマを着ていた。 そのパジャマには可愛いクマ柄のプリントが施されていた。 うつぶせに倒れていた彼女はピクリとも動かない。 そして何故か、体に電線が巻き付いている。 遠巻きに見ていた通行人の一人が出てきて、腕の脈を取っていたが、 首を横に振った。 若い男がマンションの玄関から慌てて出てきたが、 ジャージー姿で裸足だった。 恐らく、感情のもつれの突発的な衝動だろうか、即死状態。 |