「心に留めた風景」13
「内斜視」
知人の中国人女性からネット通販するためのブロマイド用裏打ち板、 「5cm×5cm×2mm厚の合板を200個欲しい」との注文を受けた。 さっそく見本を1枚作って届けたが、 それを手に取るなり、加工精度が気になるらしく不満を漏らした。 「台形に歪んでいる」というのだ。 断面に0.2mm程度の誤差があるという。 糸鋸と1000番の紙ヤスリの素人仕上げだが、 見た目に気になるほどではない、と高を括っていた。 あっけなく不合格となった。 当方の肉眼と技術力では手に負えない代物だった。
彼女は生まれつきの弱視でしかも内斜視。 強いコンタクトレンズを入れても視力が上がらないらしい。 ところが、10cmくらいまで顔を近づけると、 ミクロの世界にピントが合うようだ。 裸眼でコンマ2mmまで判別できるという能力を持っている。 あながち内斜視という眼球の先天性異常は、 別にハンディキャップではなく、特技、才能なのかも・・・。 ましてや外見に気おくれすることなど何もない。 むしろ愛くるしくて可愛いよ。(笑)
(画像は拙作ですが当人ではありません。) |