「心に留めた風景」18
「スモーキー・マウンテン」
90年代初頭にフィリピン、マニラ市郊外の 「スモーキー・マウンテン」に幾度となく通った。 広大なゴミの山が広が広がり、ところどころに煙が立っている。 不法に占拠した住民達が住みついているスラム街だ。 初めて知人の雑誌ライターと訪れたスモーキーは、 炎天下のもと、強烈な悪臭を放っていてとても耐え切れず、 ほんの10分そこそこでタクシーに乗って宿に帰ってしまった。 その後、嗅覚は少しずつ慣れてきたが、この暑さと埃っぽさには毎回参る。 埃だらけになってホテルに辿り着き、 まずは着替えもせずに、Tシャツとジーンズ、スニーカーも履いたまま、 シャワー室に飛び込むのが日課となった。
「犬の皮を剥ぐの図」
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