「心に留めた風景」26
「バカッター」
誰にも遠慮することなどない。 これはパフォーマンス・アートだからね。 君達の気が済むまで自由に身体表現すれば良い。 「俺はこんなこと出来るビッグな男だよ」 と虚勢を張りながら青く瑞々しい孤独の叫びを、 深い闇の向こうに横たわる青春の葛藤を見せてくれ。 核家族化、家庭崩壊、出世競争という時代の波に揉まれ、 消費社会の海で溺れ、ついに行き場を失ったなら、 冷蔵庫に隠れたって良いじゃないか。
物理的破壊行為だから弁償さえすれば済む。 償うカネがなかったら親に泣きつこう。 親に無視されても心配いらない、闇バイトだってあるじゃないか。 もし逮捕されたら、しばらく自由が無くなるけど3度の食事は保障される。 大勢のネット・ユーザーが次回のアップも楽しみに待っているんだ。 どんどん芸術作品を制作してね。
そんなよそ様の撮影したネット投稿画像を50コマ余ほど収集し、 「バカッター達の青春」と題して「輝く人。」シリーズに収めた。 とうとう、僕にカメラはいらなくなった。 そう“人の褌で相撲を取る”の図。わはははは! |