以前のフェイスブック投稿の記事を期間限定で再掲載します。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 僕は今までの人生で一度だけ、奇妙な体験をしたことがある。 もう余生を送る身だから、心の断捨離、身辺整理をする意味で、 この事件を解明しておきたい心境になった。 それは2010年11月18日、午後3時頃、友人と二人で秩父山中、秩父札所巡礼、 第二十五番札所 岩谷山、久昌寺観音堂境内脇の「奪衣婆小堂」で起きた。 既に何人かの知人には話しているが、撮影中に何者かにカメラを叩き落された件だ。 僕は科学的に証明できる事象しか信じない主義だ。 こんな忌々しい現象は起きなかったことにして、早く脳裏から消し去りたいのだが、 今回は目撃者(同行者)がいたことで、事実を認める以外なかった。 事件は小堂の格子戸越しに、中の木彫りの三途婆像を撮影しようとして起きた。 一眼レフではレンズ口径が大きいため、 サブのコンパクトカメラで撮ろうとした瞬間、堂内の床に落としてしまった。 落下させたというより、吸い込まれていった、という表現が近いかも知れない。 何故ならカメラは狭い格子窓を潜り抜け、 奪衣婆の足元まで1.5mほど飛ばされて行ったからだ。 「今、どうしたの?」と後方で相棒が気が付いた。 “ゴトン”とカメラが飛ばされる音を聞いたのだろう。 「カメラを中に落っことしちゃった・・・」 観音扉は施錠されていたが、下の方をこじ開けて隙間を作り、 木の枝を差し入れてカメラを回収した。 そもそも格子窓からカメラを入れるには、 知恵の輪のように、ひねりながら押し込むしかない。 それが一瞬にして、どうやって堂内に入ってしまったのか・・・ 心霊現象など全く信じたくない僕には、どうしてもその事実が受け入れ難く、 先日、10年振りに再び現地に赴いて検証してきた。 この類の逸話は時が経つと、必ず尾ひれがついて誇張されていく。 それを食い止めるべく、正確に記録して置きたいと思う。
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