フォクトレンダー(Voigtlander):フォーカシングブリラント(Focusing Brillant with a heliar)の分解・レストア

 

ヘリアー75mm F3.5・コンパーラピッドの高級版ブリラント。信州製のへリアーよりはヘリアーであるが、大判用ヘリアーのようなヘリアーではない。←意味不明 古い作例

2002年1月18日

改定:2004年5月23日

 

1932年発売のフォクトレンダー:フォーカシングブリラント。フォクターやスコパー付きのものはよく見かけるがヘリアー付きは割合珍しい。

右はブリラントのパチモン、LOMOのルビテル-2である。ブリラントの方がわずかに背が高いがベークライト製のボディは非常に似ている。

よくブリリアントと表記してある本があるが、どうしてかわからない。ベークライト製のボディにはきちんと「BRILLANT」とエンボスされているのである。

背面。ブリラントには自動巻き止めが付いているが、一こま目は赤窓であわせる。ルビテルは完全に赤窓式。

ビューレンズはF2.2と明るいが収差が多くてピントの山はわかりにくい。

撮影レンズはヘリアー75mm F3.5で、絞りはF3.5-16である。

シャッターはコンパーラピッドで、T,B,1,1/2,1/5,1/10,1/25,1/50,1/100,1/250,1,500である。
非常に明るいファインダー。全体がコンデンサレンズで真ん中がピント調整用に磨りガラスに加工してある。
ファインダー。この辺はルビテルと全く一緒である。

ミラーはオリジナルではなく交換されていた。表面鏡ではなく普通の手鏡を切ったもので残念。

ビューレンズ側にはストッパーはないのでそのまま抜ける。距離目盛を校正するためには接着されている銘板をはがす必要がある。
レンズブロック。
後玉。これは簡単にはずれる。
前玉を抜くためには銘板をはがす必要がある。下に四本のネジが出てくる。
黒い穴のあいたリングがストッパーになっているので、細いドライバで少し浮かせると前玉がはずせる。

前玉をはずした状態。

コンパーの上にヘリコイドがねじ込まれているのだが、これがどうやってもはずれない。フォクトレンダーのことだからなにか仕掛けがあるかもしれないと思うと力技にも出ることができない。

よって今回はここで挫折!!シャッター自体はきちんと動いているので撤退となった。

2004年5月23日。スローが力尽きたので分解。

心配していたトリッキーな仕掛けはなかった。

普通のコンパー。

絞り・シャッター羽根に油がのっていたのでクリーニング。ガバナを取り外して洗浄・注油で修理完了・

内部は真っ黒の劣化した油で汚れていた。50年以上メンテナンスされていたかった個体だと思われる。

コンパーのレストアは別ページにまとめてある。

ついでにフードを作ってみた。

オリンパスの双眼鏡用レンズキャップに28mmの穴をサークルカッターで切り抜いたもの。ノンコートレンズにはフードがないと苦しい。フォクトレンダー純正のものはe-bayで一度見かけたことがあるが非常にレア品である。

なお、レンズの外径は28.5mm。前群回転式なので角型フードだとトホホなことになる。

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実写してみたところ反射鏡が普通の手鏡のため像が3重に見えることが判明。さっさと表面鏡に交換した。

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