LOMOSMENA8M(スメ8)のレストア

ロシア・サンクトペテルブルグにあるLOMO(レニングラード光学工機)製のプラスチックカメラ。T-43 40 mm F4.0というレンズはトリプレットであるが、きわめて素晴らしい描写をするのである。

万人におすすめできるカメラではないけども、ど〜しても欲しいという奇特な人はにでも行ってみますか?

平成15年8月5日更新

シャッターバラバラのジャンクがかつぎ込まれた。

早速開けてみる。どこかで見たシャッター。そう、ルビテルのシャッターと全く同じなのである。

言うまでもないがコンパーやプロンターの「もろデットコピー」ではなくLOMOのオリジナルである。

おなじみの「おっとっと」風三枚羽根シャッター。
ネジが一本欠品。締め付けるネジではないので、一回り小さなネジを差し込んでOK。シャッター羽根はあちこちで変形していた。万力・ペンチで修正するが完全にはならない。

矢印がシャッター開閉用カムである。

シャッター駆動用リングから出ているピンを引っかけることでシャッターが開閉する。

非常に部品が少ないシャッターであるので分解はたやすい。

部品の材質・精度は心許ないが、限られた資材でよくこのシャッターを作ったとを賞賛したい。

これがレリーズ用ピン。相当曲がっていたのでペンチで修正。
このでっぱりにシャッター駆動用リングが乗るのである。組み上げて何度かシャッターを切るとこのリングがはずれてしまう。

恐るべき仕掛発見

なんでだろ〜♪、なんでだろ〜♪歌いながら(嘘)再度分解。

驚くべき仕掛を発見したのであった。そう、この出っ張りのほとんどは切り抜かれているのである。これを持ち上げる当然とシャッター駆動リングも羽根もはずれなくなるんだけど。。。。

これが本来の仕様であろうか??いささか疑問である。少なくてもルビテルのシャッターはこうはなっていなかった記憶がある。

工作精度が悪いのをごまかす仕掛なのであろうか??他の個体がどうなっているのか知りたいものである。

ピントリングは明らかにオーバースペック。アルミの鋳物であるが表面はヘアライン加工されていて非常にキレイ。

イモネジもしっかりしたものが3本ある。レンズはがっちりした真鍮のヘリコイドに絞りと共に組み込まれている。

ソヴィエトカメラの造りはアンバランスでよく理解できない所があるなぁ。

 

以下は過去のレポート

ご存じ、ロシアのプラスチックカメラSMENA8通称スメ8です。

故障はありませんが、逆光に弱いのでフードが必須ですが、フィルター内径は35.5mmと特殊です。

左下はアグファ(100円ショップのダイソーと同じ)のネガフィルムのケースで作ったフード。tomosan2CVさんがその作り方を公開してくださっていますので、ご参照ください。

このフードは簡単に作れますし、見てくれも良いですね。

ほかにも使えるモノはないかと探してみましたが、コニカの赤外フィルムの蓋がスメ8の鏡胴の内側(ネジ穴を切ってある部分)にぴたっとはまることがわかりました。

 

 

蓋の内側をカッターで丸く切り抜きます。

右が切り抜いたもの。これにフィルムケースの底を切り抜いたものをはめるとレンズキャップになります。

コニカのケースは灰色をしているので、アグファのケースを20mmのサイズで切り取りました。

コニカのフィルムケースの蓋はまるでスメ8用に作られたかのようにぴたっとはまります。

しっかりはまっていますので、少々ぶつかっても抜けないと思います。

実は株式会社ユーエヌから発売されているラバーレンズフード(UN-5131)が ぴたっとはまります。お値段は3000円と高価で、もう少し出せばスメ8が買えてしまいますね。

ついでに内面反射の手当もしましょう。植毛紙の入手が問題になりますが、ネットを検索した結果、国際光器という会社のウェブサイトが見つかりました。

ウェブ上のカタログを見ると、100cm×50cmで2000円と割合安価です。

速攻でオーダーしたら、すぐに返事があり、あっという間に届きました。天体望遠鏡のカタログと国際光器のステッカーも入っていました。

たいへんいい感じのお店です。

 

テカテカのプラスチック部分に植毛紙を貼りました。

それにしても100cm×50cmは一生かかっても使い切れませんね。プリモフレックスとローライフレックスにも貼ってあげようっと。