理研光学工業:リコーフレックスVIIの分解・レストア

  • かつての超ベストセラー機リコーフレックス。定価は6800円だった。
  • ピントリングを歯車にすることで、最小の部品数で前玉回転式のピント調整を実現。これがまたよく写るんだ。 古い作例
  • いろいろなヴァリエーションがあるが、シャッターをセイコー製にしたVIIMはこちら。
  • Daddy氏の記事

2001年8月7日

 

  • ヤフオクで3000円で落札したリコーフレックスVII。以前から気になっていたカメラなのですが、自分の価値観と入札価格の不一致?のため見送っていました。
  • この個体はレンズのカビ以外にはとくに不都合はないようです。
  • まず、ピントグラスをはずしましょう。単なる磨りガラスのようでした。ミラーはこのように劣化しています。
  • 過酸化水素水でカビを落としたぐらいですが、実用上は問題ありません。
  • なんとも合理的に設計されたカメラで、部品点数もきわめて少なく分解は容易です。
  • レンズボードはマイナスネジ4本ではずれます。セルフコッキングがないため、レンズボードと本体の連携は全くありません。
  • ビューレンズと撮影レンズを取り外しました。ピントリングは3本のイモネジで固定されています。
  • ビューレンズ側のイモネジが一本さびついていたのを無理に回したらあっけなく溝がつぶれてしまいました。CRCをさして一晩寝かせるべきだったと後悔。まあ、写りには関係ありませんけど。
  • レンズは両方ともにトリプレットです。
  • 撮影用レンズ。
  • じつに簡単にバラバラになります。はげしいカビだったので過酸化水素水を含ませた綿棒で掃除しました。
  • これでも取れない場合はアンモニア水と過酸化水素水を一対一に混ぜたもので拭くとよいと思います。強烈に臭いですけど。
  • シャッターも開けてみます。
  • シャッタースピードはB, 1/25, 1/50,1/100secです。これでもホルガに比べればずいぶん使いやいすので満足。
  • マイナスネジ二本をはずします。
  • シャッターの構造。
  • セルフもないのでたいへんシンプルです。マイナスネジを3本はずすとシャッター羽根に到達します。
  • シャッターはほぼ完調だったので少量の注油だけで修理を終了しました。
  • あとはピント調整をし、内部に内面反射の軽減のため植毛紙を貼っておしまい。
 
  • 板金ボディと前玉回転式のピント調整。とてつもなくシンプルな作りです。経年変化にも強うそうなカメラですね。
  • メーカー:リコー(理研光学工業)
  • レンズ: リコー80mm F3.5 ビューレンズ: リコー80mm F3.5(トリプレット:富岡光学製らしい)
  • シャッター: RIKEN B, 1/25, 1/50, 1/100
  • 焦点調節:ピントリンクに歯車をつけた前玉回転式
  • 発売年月: 1954年