ミノルタ:
オートコードIII型のレストア
220用のカウンタがあるので、1966年発売のミノルタ オートコード3型だと思う。美品は高価だが、この個体は少しくたびれたジャンクなので比較的手ごろな価格で落札できた。
2008年5月20日
名機オートコードはCds III型とこのIII型が最終型になる。
ミノルタのロゴが小さくなったのが特徴。
基本的には1955年発売のオートコードMXVと大きな違いはないが、側面に120と220の切り替えが付いている。
圧板にも切り替えの仕掛けが追加されている。
オークションでシャッターが切れなくなったというジャンクを適価で仕入れた(といっても高い)。
まずは、前板の革をはがしていく。
MXVと違うのは、X接点とフラッシュガン用の接点の切り替えボタンがあること。
ネジになっているので、はずしておく。
こう見るとオートコードMXVと全く同じに見えるが、シャッターはシチズンMVLに変更されている。
裏側からカニメを回してレンズ・シャッターブロックをはずす。
シンクロ用のリード線をはずしておく。
シャッターの裏側。
シャッター羽根は油で固着している。
絞りにも油が回ってピンが飛びそうな状態。
前から分解していく。
はずした部品はベンジン浴に。
セルフと連動させるための金具が乗っているが、これが外れるとシャッターは動作しないので注意。
矢印の場所にはボールベアリングの代わりになる、ペン先のような部品とスプリングがあるはずなのだけど、この個体にはない。
先人が紛失したものと思われる。
なくてもクリック感がなくなるだけで動作にには影響はしない。
同じシャッターを積んだミノルタA3などのジャンクがあれば部品の流用が可能である。
シチズンMVLシャッターの構造上の大問題はここ。
これが回転することでチャージを行なうのであるが、この部品はピンを打ち込んで固定してあるのだ。
打ち抜くときに誤ってシャフトを曲げてしまうと悪夢が待っている。
以前に
ミノルタA3
を分解したときにはこの部品をドリルで破壊したのだが、今回はシャッター羽根がはずれているわけではないのでリスクをさけることにした。
ブロックでベンジン浴(いわゆる「ドブ漬け」)でお茶を濁すことにした。もちろん、こんないいかげんな修理でお代を頂くことはご法度である。
220フィルムはいつまで存在するのだろう。
オートコードIII型のストラップ取り付け金具は特殊な形なので、手持ちがない人は苦労するかもしれない。
この個体のレンズはキズ・クモリなど全くなかったので、期待できるかもしれない。