Meopta(メオプタ):Flexaret III(フレクサレットIII)のレストア

Meopta社のウェブサイトによるとフレクサレットIIIは1948年発売。ビューレンズはAnastigmat 3/80, テイクレンズは Mirar 3.8/80、シャッターは Metax 1-1/400となっている。ebayでBelar付きフレクサレットIIIの完動品として落札したもの。

2004年12月18日

 

この型のフレクサレットにはトリプレットのミラールが付いているはずなのだが、この個体にはビューレンズ・テイクレンズ共にベラーが付いていた。シャッターはプロンターII。

 

クランク式巻上げが特徴。フレクサレットでクランク式になっているのはこのIII型のみであり、IV型から従来のノブ式に戻されている。
赤窓も残されている。

上側のフィルムローラーがなくなったジャンクに折り曲げた鉄板を入れてごまかしてあった。

この鉄板はフィルムガイドレールより飛び出しているので当然フィルムの平面性はめちゃくちゃである。ebayは怖い所であることを実感した(嘘)←実はこんなのばかり落札しているのであった。

はずしてみるとダイカストを乱暴にむしりとった趾が。

チェコスロヴァキアにはきっとダイカストを齧るネズミがいるのだろう。

まずはローラーを作成する。

ホームセンターで買った3mmφのアルミ棒を切断、両端にピンのはまる穴をミニルーターで開けた。真ん中にまっすぐ穴をあけるのは非常に難しい。でもこの部品がないとこのカメラは使えないのである。

ダイカストの欠損部をアクリル板で作成。
このように切断してはめ込む。

接着はセメダインのSuper Xブラックというものを使った。

この接着剤は硬化がゆっくりなので位置調整がやりやすいことと硬化してもゴム状に弾力性が残るのではみだした部分をカッターなどで整形しやすいのである。

固まった後はパーマセルテープで遮光する。

ローラーは側板を開けてピンで固定する。

繰り出し部はその後のフレクサレットと同じ構造である。ベラーというイリーガルなレンズで無限遠を出すためにスペーサーが5枚も入っていた。

側板を開ける。外皮は合成皮革だが弾力性が残っておりきれいにはがすことができた。

はがす前に皮革用クリームを塗っておくとやぶれにくいように思う。

巻き止めはフィルムの走行を検知するのではなく、ただ一定の回転で停止するという単純な仕掛け。

赤窓を使うことも可能なのであまり気にしない。

ビューレンズがMeopta Belar 3.5/80 71298、テイクレンズもMeopta Belar 3.5/80 162288。オリジナルの組み合わせではない。

フレクサレットIVあたりからの流用だと思われる。このあたりからビューレンズはAnastigmatとベラーが混在する。

このレンズ、一時期ミノルタフレックスに付けて遊んでいたのであるが後期のフレクサレットのBelar同様良く写るレンズなのである。

プロンターIIシャッターのレストアはここ