オリンパス: PEN-D(初期型・後期型)の分解・レストア

 

オリンパス ペンの貴重な情報はOlympus Pen Galleryを参照してください。

賢明な皆様は「レンジファインダー」Webページをよくみて研究した後、レストアに取りかかってください。作例

たかさき もとひろ:2001年1月20日

 

 

Yahooのオークションで6500円(送料 込み(^^))で手に入れたPen-D。

 

F1.9と明るいレンズが光ります。が、目測でどうやって使うのか?

とりあえずシャッターはおりましたが、かなり粘っておりレストアが必要です。

フィルムカウンターのカニ目ではまりました。逆目です。

右回しではずれます。もうちょっとでネジを壊すところでした。

このカニ目をクリアすれば、簡単に軍艦は開きます。

底。裏蓋がはずれます。

この時代はハーフカメラでもものすごくがっちりと作られているんですね。

裏蓋をはずした状態。

ファインダーと露出計のブロックを下からみたところ。露出計は非連動なので、本体とは無関係。ネジを三本はずすと簡単にとれます。

ファインダーの蓋は紙ではなくちゃんと金属でできていました。

COPALのシャッター。蓋をはずすと、小さなベアリングが飛ぶかもしれません。シャッタースピードのクリックのために重要。拾っておいてください。

今回はこれ以上分解せず、ライターオイルを含ませたレンズペーパーでクリーニングしました。

 

 

ところが、組み直してみるとシャッターをチャージしたら、そのまま切れてしまいます。分解途中に撮影したこの写真と現物を比べてみました。

そうすると黄色い矢印のところにある小さなリングがついていないことが判明。

部屋中を大捜索。ありました。1mm程度の丸い筒が、カーペットの隙間から発見されました。

このパーツはたいへん重要です。飛ばさないように気をつけてください。

これでシャッターは完調になりました。

 

教訓:

分解の経過はかならずデジタルカメラで撮影しておくこと。

小さなパーツを紛失しないこと!

勢い余ってもう一台PEN-Dをゲットしました。

こいつはシャッターの不調に悩まされ、鏡胴の取り外しを行いました。

外皮をはばして5本のネジをはずし、さらに後ろ側の4本のネジをはずせば、簡単に取り外しできます。

じっとみたけれど原因不明。

結局シャッター駆動用のカムの油切れと判明しました。

油は少なくても多くてもだめです。

PEN-D二台。

左側が初期型、右側が後期型(と思う)。

後期型は露出計を固定するネジが2本になっています。

OLYNPUS-PENと軍艦に彫り込まれています。

Houkibaraさん(Olympus Pen Gallery)のデータによると

  • 左のPen D S/N:366620 製造年月1964年3月
  • 右のPen D S/N:686325 製造年月1966年8月
とのことです。

F. Zuikoの雄姿。ハーフでこの贅沢なレンズ、おまけにシャッタースピード・露出は自由に決められるなんて。

こんなカメラはもう作られないのでしょうか?