Polaroid 320 をピンホールカメラに改造しよう

Polaroid 320をピンホールカメラに改造しようと思ってバラしました。レンズはプラスティック2枚玉で、シャッターは電子シャッターです。Polaroid190も持っていますが、このカメラは形は似ているけども全く違うカメラです。

 

2001年7月18日

7月20日改訂

 

Polaroid 190の蛇腹がダメになった時にドナーにしようと思って1000円ぐらいで手に入れておいたPolaroid 320です。プラスチック製のチープなカメラなので、思う存分バラしましょう。

これはPolaroid 190。こいつは値打ちもんなんでバラしちゃあいけませんぜ、ダンナ。

極めてシャープな富岡光学(エレクトロ35のレンズを製造、現:京セラオプティックス、ライカのレンズのOEMも引き受けていたらしい)謹製のトミノン114mm f3.8がついていますし、距離計はツァイス・イコンです。これはネガのとれるPolapan 665を入れてモノクロの作品作りに使います。軟調で超微粒子ですから4×5並の写真が撮れます。

Polaroid 320のレンズはプラスティック二枚玉です。

フロントパネルは接着されています。ドライバーで無理矢理はがしましょう。

前玉と鏡胴は簡単にはずれます。

 

後ろからネジを4本はずすと、シャッターに到達します。

シャッターの裏側です。バルブ専用に改造します。電磁石でシャッターを引っ張ることでシャッタースピードを変えるしかけです。

1のピンをバネの位置を変えてシャッター羽根?が戻らないようにします。

2のバネをはずします。このバネはじゃまなのでニッパーで切り取ってしまいます。

これだけでバルブ専用シャッターになります。もちろん電池不要のメカニカルシャッターです。チャージするとシャッターが閉じ、シャッターボタンを押すと開きます。

ピンホールは0.1mmの銅板を使って作りました。

かみさんの縫い針を使ってブスブスと穴を開けます。15倍のルーペで見て正円に近いものを選びます。

はみ出た部分をサンドペーパーで磨いて黒に塗装します。

完成かと思ったら、このカメラは三脚の穴がないのね。ガーン。

キャノネット28のジャンクから三脚取り付け部をいただいて底にネジ止めし、補強の意味でエポキシ系のパテで固めました。

ちょっと大きすぎたのでカバーのヒンジがつかなくなりました(^^)

ピンホールはISO75-3200の切り替え用の絞りにテープで貼り付けました。二つのピンホールの切り替えが可能です。

この絞り自体をシャッターに使う手もありますね。まあ、元々のシャッターボタンが使える方がすっきりしますけど。

 

撮影風景。非常に軽いカメラなので三脚も軽量級でOK。

ポラパンのISO100を入れて30秒の露出でこんなのが撮れました。万歳!!

だいたい標準レンズの画角ですね。

焦点距離は120-130mmぐらいの可変(ピント調整で蛇腹が伸縮するので)。f=180ぐらいでしょうか。蛇腹を完全にたたんだ状態では20mmぐらいの超広角になります(円周魚眼のようにケラれますが)。

針穴写真は結構簡単で面白いですよ。

ピンホールカメラのスペック

  • 焦点距離:フランジバックと同じ(針穴とフィルム面までの距離)
  • F値=焦点距離/針穴の大きさ(mm)

露出時間の目安*1

F値 晴天時 曇天時
128 15 sec 1 min
180 30 sec 2 min
256 1 min 4 min
360 2 min 8 min
520 4 min 16 min

*1 '96-'97カメラこだわり読本(毎日新聞社刊): 針穴写真の魅力(p138-143)より転載。