Olympus(オリンパス) :XA2のレストア

1980年6月に発売されたコンパクトカメラ。XAの簡略化型なのであろうか。レンズはD. Zuiko 1:3.5 35mmになり、距離計は省略されている。ゾーンフォーカスのマークは上半身0.9m〜1.8m、全身1.2m〜∞、山6.3m〜∞だそうである。

2003年8月31日

 

XAをレストアしてXAシリーズに興味が出てきた。オークションをながめていたら、ふとジャンク箱にシャッター不動のXA2を放り込んであったことを思い出したのである。

左が距離計連動のXA、右がゾーンフォーカスのXA2である。準広角の35mmなので目測でも十分かもしれない。

XAのF. Zuiko 1:2.8 35mmはかなり無理をしたレンズだったので、このD. Zuiko 1:3.5 35mmの描写はいかに?これもインナーフォーカス式のレンズでピント調整で全長は変化しない。

XAと比べると外装の取り付けにはトリッキーなところはない。普通に分解できるのである。底板をはずした状態ではXAと同じである。

この個体はバッテリーチェックに全く反応しない。きっとどこかで配線が切れているのであろう。電池ボックスのマイナス極はレンズボードをはずさないと観察できない構造である。

レンズはカビだらけなので分解する。XAとほぼ同じ作りであるが、シャッターが二枚羽根の絞り兼用プログラムシャッターに変更されているので、独立した絞り羽根はない。
シャッターレリーズへの結線。レストア中に切れることがあるのできちんと記録を撮っておく。実は今回のレストア中に3本とも切れてしまった。経年変化による線材の劣化は想像以上である。
ここが露出調整のための半固定抵抗ブロック。市販品ではなく、一枚の基板に4個の半固定抵抗と2個の固定抵抗がついたオリジナル部品である。なお、シャッターとの配線にはフレキが使われている。

ネジ5本でレンズボードがはずれる。小型化のためギリギリで取り付けられている。配線を切らないように注意すること。

右下が電池ボックスのマイナス側の端子であるが、ここで見事に配線が切れていた。

青いのは時定数を決めるためのタンタルコンデンサだろう。下にモノシリックICが見える。これ一個ですべてをまかなっているようである。
斜めに走る赤い配線の下が電池ボックスの裏。非常にハンダののりにくい材質であった。
XAと同じようにシャッターを分解する。
後玉はこの状態でクリーニングした。裏にカニ目があるので後ろから分解してもいい。
二枚羽根の絞り兼用プログラムシャッター。

DXなどという仕掛がないのがありがたい。

なおこのカメラ、レンズバリアを締めた状態ではピント位置が3m前後(全身マーク)に固定される仕掛である。

デザインにはほれぼれする。