オリンパス(Olympus): XAのレストア

シャッターが開いたまま固まっているジャンクをもらってしまった。格好はいいけど(この個体に限っては)F. Zuikoの描写はトホホである。レンズテスト

アサヒカメラ編 「名機70選にみる国産カメラの黄金時代」にはこのレンズを「そのユニークなアイデアを盛り込んで実現したFズイコー35ミリF2.8レンズだが、テストの結果は、ボディーのコンパクトに予想以上の制約を受け、努力の結果が、残念ながらまだ実りきってないといえるようだ。このレンズの画質は、前玉回転式テッサータイプレンズに比較するとほぼ同等かわずかに優れている程度だが、初期のオリンパスペンに付いていたようなレンズに比べると、ちょっと分が悪い。カプセルの箱はレンズにとってかなりきびしい条件を提出したと見なくてはいけない。」と述べられている。

2003年8月23日

 

 

 

行きつけのカメラ屋の床に転がっていたものを譲り受けた。

1979(昭和54)年5月に発売された画期的なコンパクトカメラである。動距離計・絞り優先式EEという立派な仕様。

シャッターはパカーンと開いたまま電池を入れても反応なし。レンズはひどいカビでボロボロ。

底板をゆるめて上に持ち上げるとレンズバリアがはずれる。

前板はこのネジとフィルム室にあるネジ、2本で固定されている。

トップカバーの開け方にはギミックがある。接着剤で貼られたシャッターボタンをはがすのがミソ。

このあたりはRange Finderを参照して欲しい。ビュッカーさん、HPたいへん参考になりました。ありがとうございます。

前板をとった状態。ここからが難物である。

絞り・距離系に連動する部品をはずした後、前群をブロックではずす。

銘板は例によって接着されている。はがす必要はなかった気がする。

絞りを動かすアームをはずす。

Cdsのマスクを固定しているカニ目をはずし、その下に見えるネジをはずすと前群がブロックではずれる。この状態でレンズのカビ取りをするのである。

下に見えているのは絞り羽根。XAは銘機オリンパスPEN-EE系と同じ構造の絞り・シャッター羽根を持つ。

絞りの下にシャッター羽根がある。二枚羽根でリンパスPEN-EE系の形状である。

XAはPEN-EEを電子シャッター化したものであることがわかる。

羽根をクリーニングすることでシャッターは正常に動き始めた。

レンズのクリーニングをするためでもここまで分解しないといけない。レストアは非常に難しいカメラだと思う。

距離計連動・絞り優先AEのコンパクトカメラ、今一番欲しいのがこのスペックなのである。どうしてこれに続く新製品が出てこないのであろうか。