キャノン:DATEMATICの分解・レストア

 

チープなカメラですが、割合良く写ります。 作例

たかさき もとひろ:2001年3月9日

これも、もらったカメラです。

キャノネットのような外観ですが中身は全然違います。台湾製だし。

症状は

  • シャッター不動
  • 巻き上げ不可
  • セルフが巻かれたまま固着

軍艦をあけるのにちょっと手間取りました。ホットシューのプレートの下に隠しネジが四本あります。これをはずさないと軍艦はあきません。

軍艦は金属製のように見えますが、実はプラスチックです。

 

単3電池を二本直列にしたものをつないでチェック。電池への配線が断線していました。

これは再配線で解決。オートも問題なく動きました。

レンズボードをはずします。

電磁石らしきものがあります。巻き上げと機械的連動はなく、どうも電磁シャッターのようです。

セルフは、ベンジン洗浄・注油で回復しました。

 

ところが、シャッターがきれません。

この基板をはずして、原因を探ります。

 

結局、フィルムカウンタもはずす必要がありました。

矢印のカムの間に、シャッターボタンと連動した円錐状のピンがはいって、このカムを押し広げる仕掛けのようですが、ここが完全に固着していました。

さらに、このカムに連動している巻き上げのストッパーが変形していました。どうやら、前の持ち主が力任せに巻き上げレバーを回してしまったようです。

たいへんチープなカメラの割に、レストアは大変でした。

 

 

感想:エレキで動く機械のレストアは大変。

時定数を決めるコンデンサあたりが劣化していると、まったくのお手上げになります。

   
   
キャノンカメラミュージアム によると
  • 型式 35mmレンズシャッター式距離計連動・プログラムEEカメラ、日付(年、月、日)同時写し込み機構内蔵(レンズ鏡胴部)
  • 画面サイズ 24×36mm
  • 標準レンズ 40mm F2.8(4群5枚構成)
  • シャッター セイコーESF(電子制御式)EV1(4秒、F2.8)〜17(1/500秒、F16)、X、セルフタイマー内蔵、
  • フラッ シュオート用ホットシュー
  • ファインダー 二重像合致式連動距離計と逆ガリレオ式ビューファインダーを光路内に一体化した一眼式、ブライトフレーム式パララックス補正マーク付き、バッテリーチェッカー兼手振れ警告(ランプ式)、デートスイッチONでデート写し込み位置表示、倍率0.62倍、視野率84.5%
  • EE機構 CdS式、完全自動プログラム式EE、測光連動範囲=EV1〜17(ISO 100)、フィルム感度使用域=ISO 25 〜400
  • 使用電源 1.3VのHM-N型水銀電池2個
  • フィルム装填・給送 裏蓋開閉スプール差し込み式、上部レバー132度回転1作動式、予備角30度(小刻み巻き上げ不可)
  • フィルムカウンター 蓋開放に連動して自動復帰する順算式 フィルム巻き戻し 上部回転クランク式
  • 大きさと質量 118×75×59mm、440g

ということだそうです。