パイオニア:レコード・プレーヤー「PL-X720」「PL-X520」


 

  • パイオニアのミニコン用のレコード・プレーヤー。
  • 総プラスチック製でまったく人気のない入門機w
  • これはPL-X720。PL-X520にオート機能と選曲機能を追加した上級機のようである。
  • ほとんどの固体がジャンクになっているため、オークションでも二束三文。
  • 実は、ある交換針のセットを落札した中に、PL-X720用の楕円針が3本含まれていた。
  • 使わないのはもったいないので本体を手に入れたという本末転倒w。

 

  • これは興味があって手に入れたPL-X520だけど、内部構造はほぼ同じ。
  • 駆動部は全く同じで、故障場所も同じである。

(1)(2)(2)がリニアトラッキングアームの動作を決定する重要なカムなのであるが、エンプラの経年劣化のため全て根元から折れてしまっているのである。

  1. アームの高さを決めるカム。これが折れるとアームが下がらなくなる。
  2. 折れて下側に動いている(本来は3のカムのすぐ左にある)。このカムはアームの戻り位置を決定するカム:スタートボタンを押して針が下りる位置は、アームの戻り位置で規定されているので、結局は針の下りる位置を決めることになる。
  3. アームの傾きを感知する感度を決めるカム。この基板全体を左右に移動させて、アームの傾きを検知する程度を制御する。このカムが折れるとアームは進まずに針先だけ進んで斜めになり、場合によっては針が折れてしまう。
  • カムの中心にルーターで穴をあけて、プラカメから取ったセルフタッピングビスを埋め込む。
  • アームの駆動用ゴムベルト。なんとかもっているが、出来れば交換した方がいい。
  • 千石通商で売っているがモノは安価だけれど送料がばかにならないので、今度秋葉原に行くまで保留。
  • PL-X520のカートリッジは明らかにオーディオテクニカOEMのT4P型。
  • PL-X720のカートリッジは基本的にはT4P型だけど、コネクタの周囲に囲いを作って普通には挿せないようになっている。
  • それを取り除くとこうなって、T4Pコネクタに挿せるが、重さはずいぶん軽いので針圧調整が必要。
  • PL-X720はフルオートなので、レコードを載せてスイッチを入れるだけ。
  • それなりに十分リスニングに耐える音なのであった。
  • 少しワウフラが目立つような気がするが、これはプラッターが超軽量のためで、スタビライザーを載せると明らかに改善する(モーターが持つかどうかは保証できないw)
  • なお、針圧はアームの後ろ側にあるバネでアーム全体を引っ張り上げることで調整されている。
  • 多くの固体でこのバネが伸びきってしまっており、そのためにとんでもない高針圧がかかっていると思われる。
  • ちなみに、今回分解した固体は2台ともに2g以上の針圧がかかっていた(SHUREの簡易針圧計で測定)。
PL-X520の純正カートリッジ 295T。構造は明らかにテクニカのVM型。
オークションでAKAIへOEMされたカートリッジ用の新品交換針を安価で手に入れた。
なるほど、まったく同じ針と考えていい。
これは古い純正丸針。一見きれいにみえるが再生音はなんだかホコリっぽい。(200倍のおもちゃ顕微鏡で撮影)
これはAKAIのRS-33新品交換針。一見汚れているようにみえるが音はクリアになった気がする。
  • PL-X720もPL-X520も良いプレーヤーなのだけど、カートリッジがT4P規格のPL-X520の方が自由度が高くておすすめできるような気がする。
  • 両方のジャンクを買っても1000円しないんだけどw