ヤシカ エレクトロ35の分解・レストア

 

初期の電子シャッター&AEカメラです。手配線されており内部は非常に脆弱です。腐食している部分が多く、そこそこ動くカメラならばいじらない方が賢明かもしてません。

賢明な皆様は「レンジファインダー」Webページをよくみて研究した後、レストアに取りかかってください。 富岡のレンズだけに写りは抜群です。(作例)

2001年1月4日

改訂2001年9月9日

これがジャンクで手に入れた初代エレクトロ35です。

このカメラ、絞り優先オート専用機なのですが、露出計は動いているものの、シャッタースピードは変化しません。

「レンジファインダー」Webページをみて修理にとりかかりました。

すでに軍艦ははずしたあとです。電線がいっぱいありますが、この時代にはICなんてものはありません。電気カメラといった方がよいでしょう。インジケータはLEDではなくて豆電球です(^^)。

丸い円板が露出計の感度をきりかえるスイッチです。じつは、Cdsの開口部の大きさを機械的に変化させているだけです。

上部の構造。レンジファインダーの掃除は簡単にできます。

「レンジファインダー」Webページをよーくみてください。このあたりのノウハウが詳細に記載されています。

黄色の矢印の部分のスペーサが劣化・脱落していました。

約0.7mm厚の発砲ゴム板を三枚重ねてスペーサを作り、このあいだに接着します。本来は、前板をはずすべきなのでしょうが、私にはできませんでした。ここの隙間からなんとか入れることができました。

同じ部分を角度を変えて撮りました。

それにしても露出計に連動するこんな重要な場所に、経年変化のおこりやすいウレタン系のダンパーを使うなんて。明らかに設計上のミスですね。

 

これでシャッタースピードが明るさによって変化するようになりました。はみだした接着剤はあとできれいにはぎ取りました。

ビュッカーさん、どうもありがとうございます(^^)。

ハーフミラーは金蒸着だったようですが、ほとんどはげてしまっています。なんとか二重像をみやすくするためにつとむさん の裏技をつかわせていただきました。矢印の部分にモノクロネガの切れ端がはいっています。

ファインダーは少しだけ暗くはなりますが、思ったほどではありません。

なにより、二重像がくっきりしてピント合わせがずいぶん楽になりました。

このファインダはネジ二本で取り外しできます。適当なジャンクがあれば交換してしまうのも手です。

エレクトロ35は妙な格好の水銀電池(たぶん5.6V)を使用しています。もちろん現在入手不可能です。

アダプタもあるのかもしれませんが、お金をかけるのももったいないので、6Vの4LR44をそのまま流用します。

プラスの電極だけが出るように絶縁体でカバーを作り、電池にかぶせます。長さが不足するのでアルミホイルを丸めたモノを押し込みます。

本当はもう少しまじめに細工した方がよいですが、これで十分使えます。この水銀電池代替アダプタは現在実用新案特許申請中です>嘘!!

モルトも張り替えました。100円ショップの習字用下敷きです。

レンズボードの裏側。外側を剥がしてネジを四本はずせばレンズボードを取り外すことができます。

配線(とくにはんだ付け部)が腐食しており、ちぎれてしまう可能性があります。慎重にはずしてください。

黄色の矢印が例のダンパーです。この個体はミニ四駆のタイヤ(^^)で補修してあります。

赤矢印はAEの接点です。ここも腐食している可能性があります。極細のサンドペーパーで磨くか、接点復活剤を使いましょう。

結局、ファインダー・トップカバー・ボトムカバー・巻き上げノブ・Gマークのエンブレムをニコイチして、この形で落ち着きました。