たかさきのカメラ道楽：素人寫眞機修理工房

わたしの「寫眞機」道楽

たかさきクリニック胃腸科内科　高崎元宏

　本年の8月16日に高知県立中央病院を退職し、高知インターアクセス道沿いに診療所を構えさせていただきました。医師会の方から「リレー随筆」を書くように言われて、書こうとしたら全然書けない。どうしたことかと考えましたら、ここ十数年間は医学関係の論文や発表原稿以外は全く書いたことがないことに気づきました。これはこれで異常なことだなあと実感した次第です。勤務医としての多忙な生活から離れましたからには、少しはまっとうな？社会生活に復帰することも必要かもしれません。

　もともと私は結構多趣味で、ジャズ・ピアノ演奏やヨットに乗ること（元ヨット部：470級）などが大好きでしたが、時間的な制限があり、最近の趣味はもっぱら写真撮影です。でも、本当はカメラ（寫眞機）自体が好きなのかもしれません。この文を書きながら自宅のカメラ庫を捜索してみましたが、なんと多くのカメラが出てくることか。骨董品的「寫眞機」が多いのですが、一眼レフがニコンだけでも６台(F, F2 3台, FA,F5)、ミノルタ・ペンタックスがそれぞれ一台、マミヤの中判カメラが二台（スーパー23、M645 super）、キャノンのレンジファインダーが二台（VT, 7）、高級コンパクトカメラが二台（ミノルタTC-1, コニカヘキサー）、ライカⅡf、ヤシカの二眼レフ、デジカメ、コンパクトカメラ多数、それに戦前の6×9カメラ　スーパー・イコンタなどなど。

　土佐高校時代から、自分で写真を撮って、それを現像・焼き付けするのが趣味で、早稲田大学時代はカメラ（ニコンF2）を持って毎日あちこちをうろつくような状態でした。ところが、医者になってが最後、全く撮影に出かける暇がなくなってしまいました。特に前の職場はたいへん忙しく、撮影旅行に行くことなどは論外でした。とは言いながら、国際学会に出かけるときには、いつも何台かのカメラとリバーサルフィルムの山を持参していましたが。という言う訳で、いきおいカメラのコレクターになってしまっていたようです。でも、カメラは使ってこそカメラです。これからは暇を見つけては「寫眞機」を使ってあげたいと思っています。

　今はビデオが全盛ですが、だだの静止画である写真がすたれないのはいったいどうしてでしょう。「写真」と書いても「写真」は真実をそのまま写すものではありません。自分の意図に合わせて絵を作ることができるのが写真の魅力です。とりわけ写真の一番の魅力はボケだと思うのです。ボケというのは痴呆のことではなく、ピントが合っていない状態のことをいいます。最近のコンパクトカメラで撮った写真は、近くのものから遠くのものまでしっかりとピントがあった状態（パンフォーカス）で写ります。これは、だれが撮ってもどんでもないピンボケ写真ができないような設定をメーカーがしているからです。でも、こういう写真は平面的でちっとも面白くありません。やはり、主役にピントがしっかりあって、脇役はぼける、これが写真の醍醐味だと思います。今主流のの標準ズームは暗いのでボケを楽しむのはちょっと不適当です。

一昔前の標準レンズ（50mm）付きマニュアル一眼レフカメラをお持ちでしたら、ぜひ絞りを開放あるいは2.0あたりにして撮ってみてください。きっとそのボケの美しさに魅了されると思います。　えらそうなことを書きましたが、実は私の写真の技量はちっとも向上しておらず、「寫眞機」様に全く頭があがらない状態です。これからも高知県美術展などを目標にのんびりとやっていきたいと思っています。医師会の皆様にご同好の方がおられましたら、よろしくご指導をお願い申し上げます。

　最後になりましたが、私は診療所内にインターネット・サーバ(http, mail, ftp)を持っています。「寫眞機」道楽については、そのサーバのhttp://kochi-med.net/moto/camera/ に公開しておりますので、お暇なおりでもご覧ください。