キャノン:初代デミの分解・レストア

 

キャノンデミシリーズの初代。なかなかいいカメラなのである。 マニュアル

2001年2月7日

更新2001年5月5日/12月22日

更新2004年5月14日

これが3500円で手に入れた初代デミ EEである。

  • 症状
    1. 追針式の針が動かない。
    2. 露出計不動
    3. プログラムシャッターのリングが固くてまわらない。
    4. レンズのカビ・ホコリ

デミはモナカ構造になっているので、あけるのが面倒。

矢印のところにネジがあるため、外皮をはがす必要がある。ドライヤーなどで皮を柔らかくしてから慎重にはがす。

全部はがす必要はない。

モナカの皮も軍艦も真鍮でできており頑丈。

プログラムシャッターを動かせるリングをはずしてからモナカの皮を取る。

初代デミはモナカが上下にわかれていない。

レンズをはずします。この時に無限遠の位置をメモしておく方が良いが、このカメラにはバルブがあるので後から調整することも容易。

ヘリコイドとシャッターリングを取り外してシャッターを露出。

右上が追針式メータとの連動部。このカメラはここがずれていて連動していなかった。

リングをはずした状態。とてもシンプルなシャッターである。

オイル切れだったので可動部に5%にベンジンで希釈したスピンドルオイルをごく少量注油した。

軍艦はネジ3本と巻き戻しレバーをはずすと、簡単に開く。

ファインダーに注目。総金属製でレンズはちゃんとしたガラス。それもカニ目でがっちりと固定されている。

大変まじめに作られており、今時のコンパクトカメラとは雲泥の差だと思う。

レンズにはカビ・ゴミがありましたのでバラバラに分解した。

最近小さなレンズをバラすことが多いのでJHTの通販で本物のカニ目を購入。やっぱり使い勝手が良い。

セレンは劣化していたので、マミヤのジャンク機からとったセレンに乗せ買えた。

セレンと直列に4Kの抵抗が入っている。これを小さな半固定抵抗に置き換えるとメータの微調整が可能となる。

このセレンは大体1KでOKでした。

 

完成。

と思ったらストロボのシンクロコードをつなぎ忘れたことに気づく(^^)

まあ、いいか。

やっぱり気になるので分解。

ついでにファインダーをはずしてみた。

金属製の鏡胴にガラスレンズ。

開けてまたびっくり。内部にはプリズムが使用されていた。

接眼レンズはねじ込み式の鏡胴に取り付けられているが、鏡胴とプリズムは接着剤で固定されているようなのでこれ以上の分解は断念。

しかし、ハーフの目測式カメラになんでまたこんな贅沢なファインダーを作ったんだろう。

 

昔懐かしいマニュアルの写真。

←クリックするとマニュアル全部を見ることができる。

 

 

kapitanさまからレンズプロテクターとキャップのアイデアをいただきました。

2004年5月10日

kodakのフイルムケースが材料だそうです。

キャノンのプラスチックカメラのCanonの文字の部分をはさみでカットし、このキャップに接着したとのこと。

いいアイデアですね。 

   
キャノンカメラミュージアム によると
  • 型式 35mmレンズシャッター式ゾ-ンフォーカス・ハーフサイズカメラ
  • 画面サイズ 24×18mm
  • 標準レンズ SH28mm F2.8(3群5枚構成)
  • シャッター セイコーシャL、ライトバリュー・プログラム式、EV8(1/30秒、F2.8)〜17(1/250秒、F22)とB、 ビハインド式、フラッシュシンクロはX接点式
  • ファインダー ケプラー型実像ファインダー、倍率0.41倍、視野率90%
  • 焦点調節 レンズのフォーカシングリングによるゾーンフォーカスマーク式、0.8〜15m(∞)、1・3・15m位置に近・中・遠距離を表すピクトグラフ付き
  • 露出調節 セレン光電池式露出計の指針位置に追針を合わせる追針合致式、適正のシャッタースピード値と絞り値 の組み合わせが決まるプログラム式、測光連動範囲=EV8〜17(ISO 100)、フィルム感度使用域 =ISO 10〜400
  • フィルム装填・給送 裏蓋開閉スプール差し込み式、上部レバー145度回転(予備角20度)、小刻み巻き上げ可能
  • フィルムカウンター 裏蓋開放に連動して自動復帰する順算式
  • フィルム巻き戻し 上部回転クランク式
  • 大きさと質量 115×68×37mm、380g

ということ。