Welta: Belmiraのレストア

某ライター様からレストアの依頼があったカメラ。1958-1960年に製造されたもののようである。

2004年5月26日

 

Weltaの35mm判カメラ。

Meyer-OptikのTrioplan 50mm F2.9という半端なF値のレンズがついている。

オーナーが距離計窓のねじをはずしたら部品が落っこちて、しばらくして巻き上げが不能になったということである。

距離計の左右像を調整するのは矢印の部分である。

手動リセット式のカウンタが付いている。この仕掛けはエタレッタとほぼ同じであった。
巻上げはこのノブを左にシフトすることで行う。裏蓋はカパッとはずれるタイプである。
トップカバーを開けたところ。右側のプラスチックの棒の意味がわからなかった。

これ。実は幅1mmぐらいのハーフミラーなのである。取り付けがいいかげんなので本来の姿ではないと思われる。

上下像の調整の仕掛けは一切ない。スペーサをはさんで地道に調整するしかない。

これが距離計窓の裏側にある表面鏡。基線長は非常に長い。

これがハーフミラーとはにわかには信じがたい。接眼レンズを通して見ると非常に細い横長の二重像が見える。

最初はミラーが脱落したものと思って大捜索を行った。

この固定の仕方はどう見ても初期の状態とは思われない。接着してあるのだ。

巻き上げカムを全部はずすと犯人が見つかった。距離計窓のガラスを固定する金具が落っこちて運悪くここにはまり込んだものである。