グラフレックス:ペースメーカースピードグラフィック(中期型)のレストア

平成14年5月、某マエストロから譲っていただいた。http://www.graflex.org によるとフォーカルプレーンが6速の直読式に改められボディリリ−スが可能になったPacemaker Speed Graphicの中期型のように思う。

2002年5月16日

 

状態はかなりいいが、カラートファインダの汚れ・ずれ、フォーカルプレーンシャッターの幕速が出ていないなどの問題があるので分解する。

レンズはオプター135mm F4.7。たぶんWollensackの製品である。エクター127mmF4.7が付いているものが多い。

フィルムホルダのアタッチメントをはずした状態。なんと本体は木製である。

フォーカルプレーンシャッターにはリボンはなく非常に長い一枚のシャッター幕からなっている。

このようにスリットを切り抜いてあるだけなのである。

スリットの幅は4種類あって、あとバネのテンションを二段階に切り替えることで6段階のシャッタースピード(1/1000, 1/500, 1/250, 1/125, 1/50, 1/30, T)を得ている。

カラートレンジファインダを開けてみる。

なおこのファインダーの調整方法はgraflex.orgに詳しい。

非常にシンプルな構造である。プリズム一個とハーフミラー一枚から構成されている。実にアメリカンはファインダーだと感心。

スピグラはカラートレンジファインダとこのファインダーを使うことでピングラなしの手持ち撮影が可能となる。

対物レンズはプラスチック製なので傷つけないように注意。接眼レンズはガラス製のよう。これが回転することでパララックスを補正する。

「GRAPHEX」シャッター。今までバラしたどのシャッターとも構造が異なる。ガバナと可動部に注油するだけで完調になったので深追いはしていない。

こうやって遊べるのがスピグラのメリット。

Voigtlander & Sohn. A.-G. Braunschweig. Heliar 15cm 1:4.5

Stephen Shuartというマニアックなお店があるのは知っておいても損はない・・・かも?

 

2003年1月8日追加

Kalart Rangefinderの調整がうまくいかないのでバラして構造を見てみることに。

なんとまぁシンプルな物件である。
そうか、なんとなくわかってきた。下に飛び出ているシャフトに長いアームがついてベローズの動きと連動するのである。
ふむふむ。

下のアームがShort Scale (Front)。このナットは逆ネジなので注意。

http://www.graflex.org/speed-graphic/kalart-adjustment.html

を見ると詳しく書いてある。ようするに15ftぐらいの場所を「To Loosen「」と書いてあるネジをゆるめて調整する。4ftぐらいの場所を下の目盛りの位置を動かして調整する。

それを繰り返しているとそのうちピッタリになるという仕掛けのようである←自信なし。

   

ペースメーカースピードグラフィック(中期型)

  • 製造年度:1947-1955年
  • ファインダー:スポーツ及び内蔵逆ガリレイ式 ファインダー
  • シャッタースピード(フォーカルプレーン):1/1000, 1/500, 1/250, 1/125, 1/50, 1/30, T