リコー:オート35 (RICOH AUTO 35)のレストア

Zorki-10、11のパクリ元のカメラとして有名である?? なかなか割り切ったカメラで、フィルム銘柄ごとにシャッタースピードを固定、あとはセレン式のAEのみ。固定焦点である。リコーのライブラリの記事を参照のこと。

2004年5月3日

 

1960年12月発売。40年以上前の製品とは信じられないほど垢抜けたデザインである。

レンズはリコー40mm F4(3群3枚)で固定焦点。この後継機のリコー オート35Vはゾーンフォーカスになっている。

シャッターはセイコー 500型 (1/30 - 1/400sec)。

Filmの数字がそれぞれシャッタースピードに対応している。

 

 

トリガー式巻上げがかっこいい?

リコーのサイトには「鏡胴外周に2から6までの数字があり、それぞれISO25・32・50・100・200に対応している。裏蓋にフィルムの名前が表示されているので、2から6までの番号と照らし合わせてセットする。」とある。

シャッタースピードは実写による推定。たぶんこんなかんじでしょう。

 

FILM
ISO
シャッタースピード
6
200
1/400
5
100
1/200
4
50
1/100
3
36
1/50
2
25
1/30
M
-
? フラッシュ使用時
B
-
バルブ

ものすごくトリッキーそうな外観だが、以外に普通。銘板は接着されているので注意。

この個体はあちこちのカニ目に傷が入っていたので、以前に誰かが分解したものである。

裏側からカニ目をはずすと鏡胴が外れる。あれれれ、なにか部品がないんじゃないの??

げっ!!! メータがない、どうみてもない!!!

おいらのメータを返してくれよぉぉぉっ!!

シャッターはリコーフレックスに非常に似ている。シンプルな機構である。

この個体にはメータがないのでストロボ以外の配線は意味がない。

底部。オートハーフと同じく、フィルムのパーフォレーションを利用してチャージする仕掛けである。

このカウンタが面白い。スプロケットが逆転するとリセットされる構造。

さてさて、メータがないので普通に考えればフラッシュポジションで使うしかないのであるが、この裏技でマニュアル機として1/400secまでしっかり使えるのである。

このピンがオート・マニュアル切り替え用。これを右に引っ張った状態で固定すればマニュアルシャッター、マニュアル絞りで使えるのである。

絞りはフラッシュ専用なのでF値の表示はない。開放が4.0なので一段ごとにクリックがあるのではないかな?