針穴寫眞機壱号の制作

ポラロイド改ピンホールカメラは標準レンズに近い画角のため超広角専用の針穴寫眞機壱号を制作しました。 ものすごいパースでびっくりしたので、最初の作例

2001年8月5日

 

針穴寫眞機壱号の雄姿。6×6判、推定重量200g、電池不要、設計制作1日、制作費用約600円のスーパーピンホールカメラです。

三脚の代わりに100円ショップのキャンバス立てに乗せています。

ピンホールはホームセンターで買った0.1mmのアルミ板を使って作りました。大きさの測定法は下にあります。

 

外枠はフジフィルムのデュプリケーション用フィルムCDU-II(4×5)の空箱です。プロラボでもらってきました。この箱は二重構造になっているため遮光上有利です。

このへんは「日本カメラ」2001年5月号 P284-285 比嘉良治著「ピンホールカメラ沖縄 F100号 作成マニュアル」を参考にしました。F100号は段ボールで作られています。

箱の大きさに合わせて廃材で形を作っていきます。

上下は1mm厚ぐらいのアクリル板を使いました。アクリル板は弾力性があるのでフィルムの装填に便利です。

フィルムの芯を固定には、下に写っているダボ(家具の棚の高さを調整する金具)を利用します。4個で90円でした。

アクリル板に3mmの穴をあけ、ダボを接着します。右の穴は巻き上げ用なのでそのままにしておきます。

この板の厚さがそのままフランジバックとなります。

こんなかんじです。フィルムがスムーズに巻き上げられるか試してください。

なお針穴寫眞機壱号には図面など全くなく、ずべて現物合わせの行き当たりばったりで作りました。

箱はこんな構造です。二重構造のため遮光対策をしなくても光線漏れはおこりません。

メカ?の部分はつや消しのアクリル塗料で塗装しました。黒く塗ることでずさんな切り出しやへたくそなネジ止めなどが目立たなくなります。もちろん、内面反射の軽減が目的ですが。

マスクを作ります。ビデオテープの箱を使いました。表面の滑りをよくするために120フィルムの巻紙を表面に貼ってあります。

開口部は56×56mm(6×6判)としました。

完成したメカニズム?これができればあとは簡単です。

針穴の部分を切り抜き、黒のつや消しアクリル塗料で塗装します。

 

針穴寫眞機壱号は息子(小学校5年生)の自由研究の課題なのです。子供でも楽々組み立てられます。

箱の構造上巻き上げは「ピンホールカメラ沖縄 F100号」と同じような方法しか使えません。沖縄 F100号は「割り箸」でしたが強度が不足するため、今回は100円ショップの精密ドライバー(カメラの修理には使えない(^^))を利用しました。

巻き上げ部からの光線漏れを防止するためにパーマセルテープを巻いています。

後ろにはフィルム番号を確認するために赤窓をつけています。

スキャナーを使ったピンホールの測定

ピンホールの直径がF値に直結しますが、その正確な大きさを測るのは面倒です。

そこで最近安価になったスキャナーで測定する方法をご紹介します。

基準になるピンホール(ここではポラロイド社のピンホールカメラキットに同梱されているもの)と自作のピンホールを並べて1200DPIでスキャンしましょう。

ピンホールが丸く出来ているかどうかのチェックもできますし、これだけでも大体の見当はつきます。このピンホールの出来はいまいちですね。

Photoshopで情報を表示するを使ってピンホールのピクセル数をはかります。あとは計算するだけです。

このピンホールの場合は直径0.25mmで、フランジバックが25mmですから25mm÷0.25mm=F100ということになります。

 

シャッターは今のところパーマセルテープでごまかしていますが、現在息子に設計を急がせております。

箱の深さが約25mmなので、フランジバック=焦点距離という針穴寫眞機の特性から、6×6版の25mmと超広角専用カメラになりました。35mmカメラでいえば17mmぐらいでしょうか。