オリンパス:
SC(G. Zuiko 42mm F1.8)
の分解・レストア
ギア不良のため、オリンパス:初代オートアイのジャンクをドナーにニコイチを敢行しました。
平成13年4月19日
更新5月4日
軍艦にOLYMPUS-Sと彫り込まれているので、たぶんオリンパスSという機種なのだろうと思ったんですが。
HIROA
さんのページを見るとどうもオリンパスSCという機種のようです。似た名前が多くてややこしいですね。
ジャンク10台詰め合わせセットにはいっていました。
症状は
スロー不安定
レンズカビ
巻き上げが3回に一度すべる
です。
この時代のオリンパスレンジファインダーはどれも同じような構造をしています。
後ろからカニ目をはずすとレンズがごそっとはずれるので、レンズのクリーニングは簡単です。
シャッターのチャージレバーはこのように回転式になっています。
巻き上げ不良のため、ギアを点検しましょう。
じゃまになるので露出計ユニットを取り外します。このカメラは追針式です。
シャッターに連動する棒の根本にあるカニ目ともう一カ所普通のネジをはずせば簡単にブロックではずれます。
ここが問題の箇所です。
前のオーナーが無理矢理巻き上げレバーを回したのでしょう。矢印の部分の歯車が欠けてしまっています。
たまたま、ジャンク箱にあったオリンパス:オートアイ。
どうやら巻き上げのメカはオリンパスSと全く同じようです。ラッキー!早速、このギアをいただいてしまいましょう。
床蓋をはずしてネジを一本はずせばクランクごと引っこ抜けます。
取り外したギア。全く同一でした。
ギアをはずした巻き上げ部。
問題なくギアが交換できました。連動も完璧で、ものすごくスムーズな巻き上げが可能になりました。
巻き上げ軸は偏芯クランクになっているため方向があります。反対にいれるとカウンタが進まなくなりますので注意。
さて、かんじんのシャッターのレストアです。
例によってレンズの周りのリングのカニ目をはずし、ネジを6本はずせばバラバラになります。
シャッターリングを露出した状態です。
組立の時に、赤矢印の部分をきちんとはめ込む必要があります。無理に押し込むと曲がってひどい目に遭います。
このシャッター、実はオリンパス:オートアイと同じ構造です。
赤矢印は単にのっかっているだけの部品で、シャッターのクリック感のために必要です。
左側がスローガバナーです。だいたい黄色の矢印の部分にごく少量注油することでスローシャッターは完調になりました。注油しすぎるとシャッター羽根に油が流れ込んでしまいます。
私は10%程度にミシン油をベンジンで薄めたものを、1mlの注射器にすって使っています。
くれぐれも注油は必要最小限にしてください。
と、簡単そうに書きましたが、実は大変苦労し、実質6時間ぐらいはかかったと思います。
苦労のかいがあって、非常に調子の良いオリンパスSCが手に入りました。
教訓
同じメーカーなら、機種が異なってもニコイチができる可能があるので、ジャンクは大事に取っておこう!!