Olympus OM-1のレストア

1972年発売らしい。以前から気になっていたカメラである。オークションでも結構高くなるので見送っていたが、たまたまレンズ3本付きのジャンクを見つけてゲットした。(カラー)、(モノクロ)

2003年9月7日

 

ヤフオクで8250円でゲットしたOM-1。長らく押し入れのなかで眠っていたセットらしくレンズはカビだらけであった。

G. Zuiko 28mm 1:3.5、F. Zuiko 50mm 1:1.8、E. Zuiko 135mm 1:3.5、それに純正フードとストロボ二台がついていた。

なかなかに美しいカメラである。しかし、これはプリズム腐食、スロー全滅、メータ不安定と瀕死の個体である。
なにやらデータバックらしきものが付いていた。X端子に連動して日付を写し込むものらしい。いまとなっては標準の裏蓋のほうがいいな。

トップカバーを開けて驚愕!!

噂通りの惨状である。モルトが風化してプリズムと一体化している。

なおトップカバーを開けるのには、(1)巻き上げレバーをはずす、(2)ホットシューの取り付け部のカニ目をはずす、(3)巻き戻しノブをはずし、ネジを二本はずす、これだけでいい。ISO感度調整ダイアルはトップカバーについている。

巻き上げレバーの飾りネジは普通の順ネジである。ここにカニ目があるがカニ目回しで回すと必ず穴が広がるし、傷をつけやすいのでゴム板で回すことをおすすめする。

げっ!! これはヒドイ。
ほどんどさわりたくない状態。
モルトをドイラバの先ではぎ取って行く。風化してパサパサである。

プリズム押さえをはずしてプリズムを取り出す。

なお、スクリーンは交換式なのでマウント部から簡単にはずすことができる。

あぁあ、腐食の嵐である。全部の個体がこうなっているのだから設計の不備と言わざるをえない。

プリズムの再蒸着あるは交換しかないが、とりあえずアルミ箔を貼ってごまかす。OM10のプリズムと互換性があるらしい。

ガバナの洗浄・注油のためにミラーボックスをはずず。

まずセルフのレバーをはず必要があるが、これは「逆ネジ」である。

底板をはずす。ミラーボックスにつながる配線をはずす必要がある。

測光部をはずしたが、これは必要ないかもしれない。マウント部から糸が出ていてメータのプーりーに巻き付いていた。あれこれやっているうちに糸がきれてしまい面倒なことになった。

瞬間接着剤で糸を再固定したが、構造的にOM-1の露出計はあてになりそうにない。接眼部の裏にある二個のCdsとメータが直列につながっているだけのようである。

半固定抵抗も見あたらず、細かい調整は無理だろう。どうせ単体露出計を使うので深追いはしなかった。(注)*

ミラーボックスをはずす。シャッターをチャージした状態でないとはずれないようである。
ここの配線をあらかじめはずしておく方が良いだろう。

ミラーボックスまで激しいカビの嵐である。この底板をはずすとガバナがあらわれる。注油をおこなうことでスローは回復した。

シャッター幕はなんとかもっているようである。張り替えとなるとちょっと面倒かもしれない。

セルフ。少量の注油を行った。
クイックリターンミラーの機構。特に問題ないので注油だけおこなった。

レンズはどれも激しいカビにやられていた。幸いに全部のエレメントの分解が可能なのでクリーニングできる。コーティングはカビに食われてしまったところがかなりあるので写りにも多少の影響はあるであろう。

なお、フロントのカニ目。28mmについては接着されていた。不本意であるがリングに小さな穴を開けて力まかせで分解することになった。

F. Zuiko 50mm 1:1.8

定評のある標準レンズである。

E. Zuiko 135mm 1:3.5
G. Zuiko 28mm 1:3.5

(注)*

三台目のOM-1を分解していて、間違ったことを書いていたことに気づく(ごめんね、オリンパスさん)

実はメータの上にある真鍮ネジでちゃ〜んと微調整が可能であった。

 

この基板の下に固定抵抗が隠れている。大幅な調整が必要な場合はこれを半固定抵抗に置き換えて較正する必要がある。

きちんと調整すればかなりの精度が得られるのであった。スンマセン、ペコペコ。

こんなレンズがついたOM-1MDのジャンクも手に入れてしまったのであった(2004.1.19)