ニコン:マイクロニッコール 55mm 1:2.8 のレストア

かつて某病院の病理検査室の備品であったが、廃棄されることになり貰い受けた。手術標本の撮影にはこれしかないと言われていたほどの名玉マイクロニッコールである。開発の経緯についはニコンのホームページ「〜マイクロニッコールの歴史と真実、そして伝承〜」に詳しい。

  • 2007年2月19 日
  • 2011年12月15日追加

 

  • 以前に絞りを洗浄したマイクロニッコールのヘリコイドが固着してしまったので分解する。
  • まずは、前部のフード状になっている部分をはずす。
  • この部品だけプラスチックなので、溶剤は使わない。
  • レンズ取り外し用のゴムをドライバーの取っ手にはめ込んで回すといい。
  • こんな感じで取れる。
  • その下には3本のビスがあるのではずす。
  • ヘリコイドを引っこ抜くためには、このストッパをはずす必要があると思う。
  • オフセットドライバを使うのだろうけど、100均のドライバを曲げて代用する。
  • 固着したグリス。
  • ベンジンで拭いたあと、マジックリンで洗浄。
  • この3つの部品に加えて、前群の繰り出し用のヘリコイドがあるため、かなり複雑。
  • ごく薄くグリスを塗ってから組み上げる。
  • 結構面倒な作業である

 

以下は以前の記事。

  • かなり使い込まれたマイクロニッコールであるが光学系は無傷である。
  • 絞りに油が回って動かない。
  • まずはマウントをはずそう。
こんな感じで抜ける。
  • 絞りリングと絞りの連動部もはずしておく。
  • 外側からネジ2本で固定されている。
  • 鏡胴とレンズブロックはネジ3本で固定されている。
  • 絞りユニットはネジ3本で固定されている。
  • 先に自動絞り用のスプリングをはずしておいたほうがいい。
  • はずしたとたんに絞り羽根がバラバラになる可能性があるので。
  • なお、前群をはずすのには「ラッパ状」のプラ部品を抜く必要があるが、ゴムで回してもビクともしなかった。軽く接着されているのかもしれない。

ひどい油である。

こうなるとブロック洗浄では不十分。

  • 羽根を分解して洗浄する。
  • この後組み上げるのであるが、レンズブロックを鏡胴に戻す際にはダブルヘリコイドと前群繰り出し(フローティング)の仕掛けがあるのでやや面倒である。
  • 55mmのマイクロニッコールは何本か持っているが、いずれも驚異的なシャープネス・解像度を誇る名レンズである。
  • 複雑なヘリコイド構造のため繰り出しが固くなっているものをよく見かける。
  • この個体のように絞りに油が回っているものも多い。