マミヤ35EEスーパーメリットの分解・レストア

マミヤ35EEスーパーメリットというカメラです。ジャンク四点セットに入っていました。シャッター・オートは問題なく動きますが、鏡胴がガタガタで距離計の動きも不安定です。レストア後、全く期待せずに試写してみましたが、これがいいんだなぁ、ということで作例

2001年8月18日

 

おまけでついてきたカメラ。昭和37年発売のマミヤ35EEメリットにパララックス自動補正つきの距離計を組み込んで同年11月に発売されました。

いかにもマミヤらしい無骨なデザインです。フィルムカウンタが0になるとファインダー内にENDの表示が出るのにびっくり。

シャッター優先オートとマニュアルがあります。シャッタースピードは1/30, 1/60, 1/125, 1/250secの四速。バルブがないのであとでピント調整に苦労しました。

それにしても、愛想のないカメラだこと。

軍艦は簡単に開きます。シューの下に隠しネジがありますので注意してください。

大きな円形のセレンが目立ちます。シャッタースピード用リングの固定ネジ3本のうち2本が脱落していました。ホームセンターで同じ規格のネジが手に入ったので一件落着。

シャッターは完調なので開けませんでしたが、開けるのは簡単です。

距離計は凸レンズが前後に動くタイプ。この写真でははずしてあります。パララックス自動補正あり。

ハーフミラーは金蒸着です。

ファインダーの掃除。

向かって右側のマイナスネジ二本をはずせば、ファインダーグラスがこれます。

巻き上げのシャフトがべらぼうに太いのが特徴。

ビハインドシャッターではありません。3群4枚のテッサータイプ。

ピントリング。ちょっと変わった構造です。

これをとめているネジ(15mmぐらいある非常に長いネジ)が3本ともさびついており、どうやってもはずれませんでした。やむなく2mmのドリルで破壊。タップを切り直して新しいネジをはめこみました。

 

ピント調整

前玉回転式のピント調整です。シャッターが後玉の前にある上バルブがないので面倒です。

  • 前玉とヘリコイドをはずす。
  • シャッター羽根の間に厚手の紙をはさみこんで強制的に開いたままに固定。
  • 前玉とヘリコイドを取り付けて無限遠の位置を調整。
  • ずれないようにテープで固定してはずす。
  • シャッターを閉じる。
  • あとはもとどおり組み上げる。

以上の手順でうまくいきます。

   
   

カメラレビュー社:クラシックカメラ専科NO.36「マミヤのすべて」によれば

  • 発売:昭和37年11月
  • 価格:1万6000円(ケース付き)
  • レンズ:マミヤ・コミナー40mm F2.8(3群4枚)
  • シャッター:1/30, 1/60, 1/125, 1/250sec、セイコーシャ000番
  • 露出計:セレン式内蔵、シャッター速度優先式EE、ファインダー内で絞り値読みとり可能。フィルム感度範囲 ASA 10-200、連動範囲 LV 7-17(ASA100)。
  • ファインダー:一眼三窓の採光式ブライトフレーム付き、パララックス自動補正、フィルム終了マーク内蔵、倍率0.58、最短撮影距離1m
  • 焦点調整:一眼式距離計連動(二重像合致式)、前玉回転、距離計基線長27mm
  • 巻き上げ:背面レバーの1操作式、フィルムカウンター逆算式手動セット
  • サイズ・重量:78×130×75 mm、590g

マミヤカメラ博物館参照してください。