ライツ:ライカM3(DS)のレストア

2年ぐらいまえにオークションで買ったM3。9万円台の物件であちこちいじられた跡が歴然。

2003年2月27日

 

スロー全滅。縦位置にすると二重像が左右にずれるというジャンクなM3。気にせずに2年程使ったのであるが一応開けてみることにした。

ERNST LEITZ GMBH, WELTLAR GERANY M3-835969とある。

なお私にはライカに対する思い入れは全然ない。シャッターのタイムラグが非常に小さいので普段使いのスナップカメラとして愛用しているのである。

トップカバーをはずす。手間は国産の金属製ファミリーカメラと同じである。

まず巻き戻しのカニ目をはずす。これは順ネジである。

こんな仕掛けになっている。
巻き上げレバーをはずす。ここの造りはキャノネットと全く同じである。ゴムで回しても良いがこのような専用工具があると簡単である。
レバーの下にはこのようなリングがある。普通のカニ目回しでもはずれるが溝のところが斜めに削られているので100円ショップのラジペンなどを削って工具を自作するのが良いと思う。

シャッタースピードダイアルはこのマイナスネジ一本であっけなくはずれる。よくあるねじ込んでイモネジで固定してあるものより簡単にはずれる。

こんなシンプルな格好。
ファインダーリングをはずす。この個体にはペンチで回された跡がまざまざと。
対物レンズをはずす。これは普通のカニ目である。
アクセサリーシューをはずす。下に板バネとロック用の金具が出てくる。
シンクロターミナルをはずす。ここも専用工具を使った方が良い。
マウントの上部にあるネジをはずす。本来はパテで埋められLマークが刻印されているようである。自分のM3は素人がいじり回した個体なので当然そんなものはない。
これでトップカバーがはずれる。非常に簡単でキャノネットを分解した経験のある人なら10分もかからないだろうと思う。
トップカバーの裏側。造りをみてもキャノネットと大差ない。

ところが・・・・・

ファインダーブロックの精密さには驚かされる。本来ならブロックではずしたいのであるが毎日使っているライカなのでパーになると痛い。

ガバナはシャッターダイアルの下あたりにある。はずして洗浄するのがベストなのだが今回は横からごく少量の注油をするにとどめた。注油して1時間ぐらい放っておくと油がなじんでガバナが動き始める・・・それぐらい微量の注油にとどめること。

カメラを左右に動かしてみるとシャッターボタン左のプリズムが前後に動くことが判明した。
これが問題のプリズム。どうも素人が内部をいじっている形跡がある。ちゃんとした修理のためには距離計をおろす必要があるのだろう。プリズムの一角にごく少量の接着剤をおとしてとりあえず逃げておくことにした。なお瞬間接着剤は厳禁。プリズムを腐食する。

二重像を調整するネジ。このあたりのプリズムの精密な造りを見るとバラすのをためらってしまうのだ。

このあとフロントのネジ4本、マウントネジ4本、ボトムカバーのネジ2本をはずすとボディシェルからシャッターユニットが抜けるのであるがそれはシャッター幕が死んだときのお楽しみ。

お散歩の友、沈胴ズミクロン50mm F2.0。なんだか好きなレンズなのだ。
 

結局のところしばらくすると症状再発。ひさなが光機さんに修理をお願いした。格安で完璧になって戻ってきた。

高級機はプロにお任せすることをおすすめする。でも開けてみるのは楽しいよ(笑)