Arsenal:キエフ60のレストア

ウクライナのアーセナルで作られたペンタコン6のロシア的発展型である。ペンタコン6と同様に巻き上げのトラブルが多いことで有名。ebayでは$100前後でゴロゴロ転がっている。

2007年8月15日

 

  • キエフ60。
  • キエフ6Cとどう違うのかは知らない。
  • レンズは浜松の某お大尽から絞り固着のため修理を依頼されたMC Sonnar 180mm/2.8。
  • このレンズは極めて素晴らしい描写をすることで有名。
  • とりあえずFlektogon 50mm/4.0を付けて試写してみたのがこれ。
  • コマ間隔はほぼゼロに近い。
  • 焼けないことはないのだが、フィルムを切る時に困る。
  • ISO目盛りは周りを手で押さえて回すだけであっけなくはずれる。
  • ネジを3本はずす。
  • カニ目回しでこの順ネジをはずす。
  • 高さをかせぐためのワッシャが入っているのでなくさないように。
  • 巻き上げ側はこれで終了。
  • 国産のコンパクトカメラを分解した経験があれば数分もかからないだろう。
  • シャッターダイアルは人工皮革をはがして、ネジを3本はずすだけ。
  • 極めてシンプルな作りである。
  • これだけはずして、あとはトップカバーに見えているネジを6本はずす。
  • トップカバーを開放する。
  • プラクチシックスやペンタコンシックスとは全然違う構造である。
  • シャッタースピード調整ダイアル側。
  • ここが重要。
  • Aがフィルム送り幅を調整する偏芯ネジ。
  • Bがロック用ネジである。
  • Bを半回転ぐらいゆるめてから、Aを少しだけ動かす。
  • 偏芯ネジなのでどちらに回すと間隔が広くなるということはない。
  • ほんの数度回転させるだけで、フィルム送りは大きく変化する。
  • こんなところにロックペイントさえないのがいかにもロシア的。
  • ダミーフィルムを入れてフィルム送りを調整する。
  • シャッターをバルブにしてシャッターを一回切るごとに、アパーチャーの両端にマジックペンでマークしていくといい。
  • 面倒そうだがやってみると簡単。
  • キエフ60のように巻き上げスプールの回転角でフィルム送りを規定しているようなカメラは、使用するフィルムやその巻紙の厚さが変わればフィルム送りも変わってくる(注)。
  • 現代の薄いベースのフィルムを使うとコマ間隔がなくなったり、重なったりしてしまうのはある意味当然である。

(注)コマ番号が進んでも一定の回転角という意味。

  • で、ネオパンプレスト400で撮ってみるとこんな感じ。
  • ちょうど良い間隔になったと思う。現像はオーバーで痛し。
  • キエフ60のフィルム送りについては、シャッターのテンションがどうのこうのとか、ゆっくり巻き上げないとどうのこうのとか都市伝説があるみたいだけど、あまり関係ないんじゃないかと思う。