アーセナル:KIEV-15 TEEのレストア

類まれな構造をした旧ソヴィエト製一眼レフ。巻き上げがスタックしたジャンク(HELIOS-81 50mmF2.0)を2-3000円で仕入れたまま放ってあった。モノクロカラー

2004年11月20日

 

標準レンズ付きで1Kgほどある。厚さはライカR9並み。まるで戦車のような一眼レフである。

シリアルは7606047とあるので1976年(昭和51年)製であろう。この年に日本ではキヤノンAE-1が発売されている。
見よ、この分厚さ。
キエフ10/15マウント。バヨネット式で矢印の部分で絞りをコントロールする。レンズ自体には絞りを動かす仕掛けはない。
これが本機の特徴。金属幕のロータリーシャッターという表現でいいのだろうか。扇のように先幕・後幕が回転する。なんでこんな仕掛けを考えたのだろう。
無残なトップカバー。とりあえずパーマセルテープでふさいだ。
巻き上げレバーの取り付け一つとっても無理やり複雑にしているとしか思えない。
開けてみると普通に見えるが、シャッターダイアル軸は複雑なギアでガバナに連動している。
ここまでバラすだけでも国産の一眼レフの倍ぐらい部品があるのに驚く。
ペンタプリズムをはずした。接眼レンズの両横にCdsが組み込まれている。
抵抗二本だけ。どうやらくわえ込み式のAEのようであるが、これ以上分解すると収拾が付かなくなりそうなのでAEはあきらめた。

矢印がガバナ。完全に固着していた。普通の一眼レフならミラーボックスをはずしてクリーニングするのが常套手段であるが、このカメラの動作をみいたらビビッてしまった(笑)

ガバナにベンジンを流して洗浄→少しだけ歯車を動かすを繰り返したらガチャっと音がしてスタックが解除された。あとはごく少量の注油でレストア終了とした。

このカメラは恐ろしいほどのメカのかたまりである。とても分解する勇気が出ないのであった。

おやおや。
実用性は疑問であるけど。。。