ミノルタ:ハイマチックE (Hi-Matic E)のレストア

Rokkor-QF 40mm F1.7がついたコンパクトカメラ。7SIIと同じレンズなのかもしれない。JFC会のハーフ番長@鈴木さまからいただいた。きれいな外観だったが、内部は腐食の嵐で大変苦労した。

2001年10月29日

 

ジャンクの箱詰めにはいっていたのを頂いた。

電池室には液漏れのあともなくきれいだと思ったが...

じつは掃除された後であったのだ。レンズのカニ目も傷ついていたのできっと前のオーナーがレストアしようとして断念した個体のようである。

軍幹部を開けてみたが問題はない。
ガーン。液漏れの嵐。極細のリッツ線とおぼしき配線が腐食している。
とりあえずレンズボードをはずしてみた。

あきらかに断線している配線材の良さそうな所にビニール線を継いで実験するときちんとシャッターが切れた。

大喜びしたのだが、これが地獄のはじまりだったのである。

この状態でなんとか使えるだろうと思って組み立てた。

しかし、非常に不安定で時折シャッターが切れることがある、という程度。これでは実用にはならない。

どうも腐食した配線をやりなおすしかない。

とりあえずセルフをはずす。全面にあるセルフのレバーをはずす必要があるが、ネジは化粧皮で隠されているので注意。

配線はリッツ線のようだが中は単線。一本の線でぐるぐる巻きにされ。それが右下のスペーサーを一回転している。これは難物である。

基板を取り外す。矢印は腐食した配線。

完全にボロボロでかろうじて導通がある状態。

基板の裏側。電源スイッチの接点をかねている。

このすべての配線をやりなおすと思うと気が遠くなった。しかし、やるしかないのである。

ここは斉藤秘密研究所さまのデータを参考にしたが一部コネクションの位置が違う。ロットによる違いがあるかもしれないので注意。

バラック状態でテストをおこなう。正常にシャッターが動作することが確認できた。トランジスタ・タンタル・抵抗はOKで一安心。

この拡大図はここにあるので参考にして欲しい。

オリジナルの配線材。ひどい状態である。これでよく電気が流れたものだ。

バラックでの動作を確認したあと配線を切りつめボディに収めることができるようにした。

以上、今までで最大の難物であった。所要時間7-8時間(3日間)。

ビュッカーさんから送っていただいたESFシャッターの回路の概略。

非常にシンプルな回路なのである。

TRは2SC536(2SC1815とコンパチ)、コンデンサはタンタル2.2μF6Vである。

質感の良いカメラだったので動作検証用をかねてもう一台買ってしまったのである(笑)