フジ:フジペットのレストア

シャッター不動のジャンクを1700円で仕入れた。

2002年12月23日

 

昭和32年に、フジフィルムが発売した初心者向けブローニー判フィルム使用のカメラ。定価は1,950円であり、ボディカラーは“赤・青・緑・橙・黒”の5色があった。

レンズは真っ白で向こうが見えないほど。以前レストアしたフジペットEEも同じ状態だった。シャッターの油分が揮発して曇っているだけである。アルコールで拭けば簡単にとれるので心配ない。

焦点距離75mmの単玉F11レンズである。

組み込み式のフード。大きなファインダーが可愛い。

絞りはF11, 16, 22の三段階でマニュアルで設定できる。四角いのはご愛敬。

ここにクロームメッキの飾りリングがあったのだがこの個体は欠品していた。

レンズはプラスチックのヘリコイドのようなネジ溝にねじ込まれる構造。フジペットEEもそうだったがこのネジ溝が非常に緩く、ねじ込みだけではきちんと固定されない。発売された時の構造を知りたいなぁ。

鏡胴は後ろから木ねじ三本で固定されている。これがゆるむとシャッターチャージ・リリース用リングの位置がずれてシャッターが切れなくなる。

シャッターはレバー(1)でチャージ、(2)で切れる。単速(おそらく1/50sec)のリーフシャッターである。

内部のカムとこのリングの連動がおかしくなっていたので正規の位置に戻す。矢印の部分(スプリングを引っかける所)が手前側に直角に曲げられていた。これでは絞りリングと干渉してしまう。オリジナルがどういうふうになっていたのかわからないが平面になるようにペンチで修正した。

フィルムゲートは弯曲しており歪曲収差を吸収する仕掛けである。圧板はない。

裏蓋にはフジフィルムのシールが。当時はネオパンSかSSを使うのが普通だったのであろう。このフィルムは今でも現役。

なんとも可愛いカメラである。フジペットEEよりずっとずっと・・