BeLOMO: チャイカII--CHAIKAII(ЧАЙКАII) の分解・レストア

BelOMO製のハーフカメラЧАЙКА(チャイカ:かもめ)。レリーズがボディ前面についている。Fantasitc Camera Gallery中村さんから少々不具合のあるものを安価で譲っていただきました。 これが実に立派な写りなのだ、ということで

2001年7月28日

 

  • CHAIKA-IIです。巻き上げが少々不調の個体を安価で譲っていただきました。どうも巻き上げがすべっているようです。ギアの歯が欠けていないか不安。
  • レンズはLマウントですが、ライカとはフランジバックが違うので互換性はありません。交換レンズがあるという話も聞いたことがありません。そんならどうしてレンズがはずれるの?。実は引き伸ばしレンズに使うのだという噂を聞いたことがありますが、定かではありません。

 

  • 巻き戻しが下にあります。黒い方のダイアルが巻き戻し用です。これを引っ張るとラチェットがフリーになります。
  • マウントをはずしてみました。
  • 吊り下げ用のフックと巻き上げレバーの下側にあるマイナスネジをはずすと、軍艦は簡単にはずれます。
  • 面白い構造のシャッターです。シャッターの駆動部は軍艦の中にあります。そのまま切れると1/250secのシャッターをスローガバナーで遅くしているようです。
  • 亜鉛メッキの鉄板が丸見えです。内面反射の点で問題があるのではないでしょうか?
  • 不思議に実写ではそんなに問題はなかったんですけど、一応つや消しの黒で塗ってみました。
  • 分解にはそんなに手間はかかりません。ごくシンプルな構造です。
  • 巻き上げレバーの裏に縦に二本並んでいるうち上の方のネジははずす必要はありません。
  • 左の大きなギアが巻き戻し用で、底にあるダイアルと連動しています。なんだってこんな面倒な仕掛けを作ったんだろうか。ロシアの人の考え方はどーもわからん。
  • おかげで軍幹部のに上は凸凹はありません。

 

  • フィルムカウンタをはずして、ギアのすべりの原因を探ってみました。なお、書き上げレバーを固定してあるネジは逆ネジですので注意してください。
  • 幸いにギアの歯は大丈夫そうでした。遊びが大きいのかなんとこのギアが青矢印の方向に動きます。ギアの遊びを調整する機構は見あたりません。本来ならこのギアもはずしたい所でしたが、これを固定してある大きなマイナスネジがはずれませんでした。
  • しかたがないので真鍮の板をルーターで加工し、ギアの軸を左に押すように貼り付けました(黄矢印)。
  • Lマウントなので当然ベッサRに取り付けられます。フランジバックが違うので無限遠はでませんが、なんとか写真は撮れそうです。
  • 前ピンであることが判明したため、ピント調整を行いました。ヘリコイドもスカスカだったのでグリスアップ(和製英語)しました。
  • 古いグリスをベンジンでふき取ったあとホームセンターで買った「万能グリース」を塗りました。こんないいかげんなグリスでいいのか?と言われると当然いけません。でも実用上は十分なのです。
  • ところで、このレンズが付いているLマウントのヘリコイド、妙なレンズをLマウントに移植するのに好都合のようです。
   

スペックは

  • レンズ:インダスター69(ИНДУСТАР) 28mm F2.8
  • シャッター:B,30,60,125,250sec
  • ピント合わせ:目測式で最短撮影距離 0.8m
  • 製造年代:1967-74年(百万台ぐらい作られたらしい)

独創的な構造がいいね。