リコー:オートハーフEのレストア

1966年11月に定価12,800円で発売されたハーフカメラ。レンズは富岡光学が製造したリコー25mmF2.8(3群4枚)でピントは2.5mに固定されている。シャッタースピードはオート時は1/125sec、ストロボ使用時は1/30sec。

2007年10月8日

 

  • 先日、さるお方から大量のカメラをいただいた。
  • その中にオートハーフEが入っていたので早速整備を行なうことにした。
  • シャッター不動のジャンクである。
  • フロントカバー開放の方法は他機種とほぼ同様。
  • 「裏蓋OPEN」の部品を取り外したあと、このようにシンクロと三脚穴のカニ目をはずす。
  • シャッター不動の原因はカム・歯車の固着。
  • シャッターと絞りはOKだった。
  • セルフタイマーがないため、ずいぶんシンプルな構造である。
  • メータは弱いながら振れている。
  • オートハーフはチャージ不要のエバーレディシャッターなので、矢印のシャッターロック用カムを右に動かせば何回でもシャッターが切れる。
  • セレンに直列に入っていた抵抗。
  • 実測で2.4KΩ。
  • これを取り外すとメータが元気良く振れるようになった。
  • オートハーフでセレンが生きている個体は珍しく貴重である。
  • レンズクリーニングのため前群をはずす。
  • クリーニングのために「カビキラー」を使う人もいるらしいけど、成分は「次亜塩素酸塩、水酸化ナトリウム、界面活性剤、 etc」!とても光学製品に使えるものではない。
  • オキシドール(過酸化水素の3〜4%水溶液)の使用を強くおすすめする。
  • 次いで中玉をはずすと、二枚羽根の絞りが現れる。
  • はずしてクリーニングしておくと良い。
  • 中玉。
  • 最後にピント調整を行なう。
  • バルブがないので、このように薄いプラ板をはさんで強制的にオープンする。
  • 2.5mはやや近すぎる気がするので3.0mに固定した。
  • きちんとしたヘリコイドが付いているので、ゾーンフォーカスへの改造は」難しくない。でもオリジナルのまま保存が基本。
  • オートハーフの泣き所は、このような問答無用のモルト。
  • 遮光をモルトに頼りきった設計はいただけない。