アイレス写真機製作所:Airesflex Z型(Zuiko)のレストア

昭和26年6月に発売されたアイレスフレックスZ型(ズイコー付き)。Z型はそもそも昭和26年9月にニッコール付きとして発売されたものであるが、日本光学からのレンズ供給が十分ではなく、ズイコー付き・コーラル付きが後から発売されたようである。

2007年5月27日

 

  • ニッコール付きアイレスフレックス修理のための部品取り用に仕入れたあったズイコー付きの個体。
  • ドナーにするのはしのびなく、そのまま保存してあった。
  • シャッター・絞りノブ共に固着してまったく動かず。
  • 開けてみるとグリスの劣化で固まっていた。
  • アセトンを流してグリスを柔らかくし、洗浄・分解・注油を行なう。
  • 当時の二眼レフとしては標準的な造りであるが、工作精度は芳しくない。
  • フランジバック調整用のスペーサとシャッターチャージリング。
  • ベンジンに放り込んで洗浄しておく。
  • シャッターはコンパーラピッドの完全コピーであるセイコーシャラピッド。
  • 整備についてはコンパーと全く同じなので省略。
  • これが名物「ズイコー曇り」。
  • クリーニングでは絶対に取れない。硝子自体が劣化しているのである。
  • この面は平面なので、素人研磨でもなんとかなる。
  • 酸化セリウムで研磨後。
  • いくらでも削れるのだが必要最小限にしておこう。
  • 前群には通常「ズイコー曇り」はみられない。
  • 多少曇っていたのでエタノール・ジエチルエーテル混合液で清掃する。
  • 問題は空回りしていた繰り出しノブ。
  • ノブを万力で固定して、カニメに金工用コンパスを差し込んでハンマーで叩いてもビクともしなかった。
  • やむなく電動ドリルで強行突破を行なう。
開けてみると古いローライコードと同じ構造である。
  • 慎重に外皮をはがす。
  • うまく剥がすことが出来たのでスキャンしておく。
  • これは正面。いずれも300dpiでスキャンしたものである。
  • ここは注油と勾玉カムのグリスアップでOK。
  • さて問題は破壊された繰り出しノブの修復である。
  • 使われることのなくなったフロッピーのアルミカバーをはさみで切って蓋を作ってみる。
  • 悲惨。
  • なんとなくそれなりに。
  • サークルカッターで100円ショップのバインダーから切り出した。
  • なんとか許せる範囲になったか。