|
高知新聞に2週にわたって連載した「健康連絡便」のHTML・PDF・JPEG版です
高知新聞朝刊 2000年10月16日(月曜日) 企画制作:高知新聞広告局 胃がん治療では世界のトップレベルにある日本。今回はたかさきクリニックの院長、高崎元宏さんに、胃がんの早期発見極めて有効な内視鏡検査についてお話をうかがいました。
がんは最初本人の自覚症状がないのですが、どのくらいから発見できるものですか? [高崎] 胃の検診には、内視鏡検査とレントゲン検査があります。レントゲン検査では、小さな早期胃がんを発見するのには限界がありますが、内視鏡検査では早期の中でも早期の「微小胃がん(5 mm程度)」を発見できます。これらは、すべて内視鏡的な治療で治すことができ、転移の心配もないのです。 5mm程度というと発見もかなり難しそうですが? [高崎] この「微小胃がん」を見つけることは、普通の内視鏡鏡検査では難しいのです。食用色素を使用した高知であみだされた「ブリリアントブルー法」という方法を使うと発見可能です。この方法は胃がんと深い関係にある胃炎の程度までは把握できる有効な方法なのです。 内視鏡による検査や治療がそんなに普及してきたのはどのくらい前からなのですか? [高崎] 内視鏡による胃の粘膜切除が普及してきたのは5年ぐらい前からです。それ以前は小さながんでも手術されていましたね。 どんどん技術は進歩しているわけですね。 日本が、欧米に比べて胃がんの割合が高いので研究も進んでおり、技術も世界のトップレベルです。内視鏡のカメラも性能も向上し苦痛が少なくなったこともあって、検査を受ける人も増えました。昔はバリウムを飲んで結果が悪いと、内視鏡でした、今はいきなり内視鏡で検査する。そうすることで早期の胃がんも見つけやすくなるわけです。 胃がんに関係が深いピロリ菌の検査が今年末から保険医療の対象に 胃がんといえば最近「ピロリ菌」という言葉をよく聞きますが? [高崎] 10年くらい前に発見され胃炎や胃がんの原因になっているのではないかということで研究されていた菌で、正式には「ヘリコバクター・ピロリ」といいます。ピロリ菌に感染していない人はほとんど胃炎になりません。胃炎がながく続くと胃がんになりやすいことから、この菌は胃がんと非常に関係が深いのです。 感染してきるかどうか検査できますか? [高崎] 検査は可能です。健康保険上の認可がされていませんでしたが、今年暮れには保険医療の対象になりますので、検査だけではなく、あわせてこの菌を消す治療もできます。 内視鏡技術の進歩とピロリ菌の研究。この数年、胃がんの研究は進んでいるのですが、統計的には減っているのですか? [高崎] ピロリ菌の感染には食生活が深く関係しています。食生活の欧米化によって感染率も低下し、胃がんの割合は減っていますが、逆に欧米に多い大腸がんが増えてきています。 内視鏡による早期発見とピロリ菌の退治が胃がんの治療に有効なのですね。ありがとうございました。 NOTE!! ヘリコバクター・ピロリについて院長が1998年に高知新聞に書いた記事PDF(334Kbyte)・JPEG(174Kbyte) もご参考にしてください。
高知新聞朝刊 2000年10月23日(月曜日) 企画制作:高知新聞広告局 企画制作:高知新聞広告局 カメラの性能や医師の技術の向上で、患者の精神的肉体的負担が格段に軽減されていきている内視鏡検査。今回も、前回に引き続いき、たかさきクリニックの高崎元宏院長に進歩を続ける"内視鏡事情"についてお話をうかがいました。
最近は大腸がんが増えていると聞きましたが? [高崎] 食生活の欧米化などで、最近は大腸がんが増えています。近い将来、胃がんの死亡率が大腸がんが上回るでしょう。ですから、胃がんと同様に大腸がんの早期発見もこれから重要になってきます。 大腸がんの検査とはどんなもんですか? [高崎] 一般的なものに便潜血による検診があります。便をとり、血液反応を調べるものです。この方法では小さな病気は発見できないので、内視鏡による検査が良いのです。大腸がんも胃がんと同様に早期発見すれば、死に至ることはゼロなのですから、内視鏡による大腸検診を広めて手術をせずに済む段階で治していきたいですね。 でも、抵抗があるという人もいますよね。 [高崎] 今は、カメラの性能も医師の技術も向上しています。検査をする環境にも十分配慮していますし、痛みをなくする薬を併用します。検査時間も10分から15分と短いですし、以前のイメージとはずいぶん違うと思いますよ。 そうなれば、内視鏡検査を受ける方も増えていくことが予想されますが? [高崎] 内視鏡検査はスクリーニング検査としてどんどん普及していくと思います。検査にこられる方の多くは、症状がない方ですので、患者さんというより、お客様だと考えています。ですから、出来るだけ快適な検査と明快な説明をして「満足」して帰っていただきたいですね。 診断情報の開示と十分な説明が有益なセカンドオピニオンにつながる 「インフームドコンセント」ということですね。 [高崎] デジタルファイリングシステムを使うと、今内視鏡で取った写真をお見せしながら、わかりやすく病気や治療方針等の説明をすることができます。カルテとか内視鏡のフィルムに至る全部の情報をお渡しすることも必要かもしれませんね。十分な説明(インフォームドコンセント)が出来れば、2番目の意見(セカンドオピニオン)につながっていきます。 セカンドオピニオンとは [高崎] 十分な情報をお渡しした上で、別の医師に診断を確認してもらうことです。とにかく、ひとつの医療機関の一人の医師の診断にとらわれることは全くありません。 最後に、IT革命といわれていますが [高崎] これからの医療においてもインターネットをどんどん活用していく必要があるんじゃないでしょうか。 患者さんと情報を共有しながら一番いい方法を合意の上で選んでいくことが大事なのですね。どうもありがとうございました。 |