良くある質問

FAQ (Frequently Asked Questions)

 

最近健康保険の適応になったピロリ菌の治療について教えてください。
  • ピロリ菌について
    • ピロリ菌は食べ物などから体のなかにはいり込んで、胃の中に住み着く細菌です。40歳代で約50%、60歳代で約70%の方が知らないうちに感染しているといわれています。
      • 最近になってこのピロリ菌が、胃炎、胃・十二指腸かいよう、胃がんなどの病気に深くかかわっていることがわかってきました。
      • とくに、胃・十二指腸かいようの再発を繰り返す方に、ピロリ菌の退治を行うと、ほとんどの場合かいようが治癒し、また再発がおこらないといわれています。
      • 2000年11月から、胃・十二指腸かいようの患者さんに対するピロリ菌の退治(除菌)が健康保険の適応になりました。
      • 胃・十二指腸かいようの再発を繰り返す方で、ピロリ菌の退治をご希望の方はお申しで下さい。
  • 除菌療法の実際
    • ピロリ菌が原因となっている胃・十二指腸かいようの多くは、ピロリ菌を退治(除菌)することによって再発をおこさなくなります。
      • 除菌療法
        • 胃内視鏡などによって、ピロリ菌が胃の中にいるかどうかを確かめます(迅速ウレアーゼ試験など)。
        • 陽性なら、除菌のためのお薬(胃薬1種類と抗生物質2種類)を7日間服用していただきます。 その後、普通の胃薬をしばらく服用していただきます。
        • 約2ヶ月後に胃内視鏡検査などで、ピロリ菌が消えているかを確認します。
        • きちんとお薬を服用していただければ、80-90%の確率でピロリ菌は消えてしまいます。
        • 治療がうまくいくと、かいようの再発率は10%以下になります。
        • 胃酸が増えるので、胸焼けなどの症状が出ることがあります。
  • 注意事項・副作用など
    • ペニシリン(抗生物質)を使うために、ペニシリンアレルギーのある方は除菌療法ができません。
    • 指示されたお薬はきちんと服用してください。途中で内服を中止すると、薬の効きの悪い「耐性ピロリ菌」になってしまうことがあります。
    • 副作用として、軟便・下痢・味覚異常・肝機能異常などがあります。おかしいなと思ったら主治医にご相談ください。
    • 除菌に失敗した場合には、今までどおりの治療を行う必要があります。
胃のバリウム検査と胃カメラ、どっちの検査がよいのですか?
  • バリウム検査(胃を膨らませるお薬とバリウムを服用していただき、いろいろな方向からレントゲン撮影をする方法)
    • 長所
      • 胃集団検診に取り入れられ、日本人の胃がんによる死亡率の低下に貢献しています。
      • 検査の苦痛が割合少なく、診断もかなり正確です。
    • 短所
      • X線を使うので、妊娠中の方は検査を受けることができません。
      • バリウムを使うので、便秘症の方は後でちょっと大変なことがあります。
      • 撮影と読影には、経験と能力が必要です。読影者の技量によっては、病気の見落としがおこる可能性があります。
  • 胃内視鏡検査(胃カメラ)
    • 長所
      • 胃の内腔を直接高解像度のCCDカメラを使ってで見ることができるため、最も正確に診断できます。
      • 病変が見つかった場合は、直接組織を取ってきてさらに詳しい検査を行うことができます。
      • 早期胃がんやポリープは、内視鏡的に治療することができます。
    • 短所
      • 嘔吐反射が強い方には結構つらい検査です(ジアゼパムなどの鎮静剤を使うとずいぶん楽に検査できますが)
  • どっちがいいの?
    • 胃カメラをおすすめします。残念ながらレントゲン写真では以下の写真のような小さな胃がんを見つけることはできません。これらのがんは内視鏡を使った治療で完治しました。いずれも、粘膜内がん(高分化型)、IIc型で最大径は4-6mmでした。もちろん、この大きさの胃がんはリンパ節転移はおこしません。

     

    私が高知県立中央病院時代に内視鏡的に切除した早期胃がんの内視鏡像です。大きさは約6mmでした。

     

    2001年9月に当院で内視鏡的に切除した早期胃がんの内視鏡像です。大きさは約4mmでした。

     

色素を使った胃内視鏡検査と普通の検査とはどのように違いますか?
  • 色素内視鏡検査ブリリアントブルー法:食用青色1号・無毒です。)
    • 長所
      • 普通の方法では見過ごされてしまうような小さな病気がはっきりとわかるようになります。
      • 慢性胃炎の程度(強さ・広がり)、胃酸に分泌の程度が簡単にわかります。
    • 短所
      • 前処置が普通の検査に比べて少し面倒です。
      • 色素を飲んでいただくため、口のまわりや衣服に色がついたりすることがあります。
  • 普通の内視鏡検査
    • 長所
      • 前処置が簡単です。
    • 短所
      • 小さな病気の見落としが起こることがあります。
  • どっちがいいの?
    • 一般に、年齢とともに胃炎(慢性萎縮性胃炎)の程度が強くなります。それにしたがって胃がん(高分化型胃がん)ができる可能性が高くなります。一方、若い人には、ほとんど胃がんができません。
    • そういう理由で50歳代以上の方には、原則として色素内視鏡検査をお受けになることをおすすめします。

    ブリリアントブルー法で発見された4mm大の早期胃がん(粘膜内がん(高分化型)、IIc型)です。内視鏡を使って完治できました。このような微少胃がんを普通の内視鏡検査で見つける自信はありません。

    左:治療前、中:治療数日後、右:治療6カ月後

     

便の潜血反応検査を毎年うけています。大腸ポリープやがんの心配はないでしょうか?
  • 便の潜血反応検査が陽性であった場合
    • 痔、胃・十二指腸かいようのような病気でも陽性反応が出ることがあります。
  • 便の潜血反応検査が陰性であった場合
    • 便潜血反応だけでは、早期大腸がんの約40-50%、進行大腸がんの約10%が見落とされてしまいます。
    • 大腸ポリープの多くは便潜血反応では陰性になります。
  • 便の潜血反応検査はあくまでも簡易的な検査法であるとお考えください。
  • 50歳代になったら便潜血反応が陰性でも一度は大腸内視鏡検査を受けられることをお勧めいたします